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盛岡で賢治の童話・絵本展 賢治の世界を手に取って楽しんで

賢治作品の絵本がずらりと並ぶ。壁面には「どんぐりと山猫」のタペストリーも

賢治作品の絵本がずらりと並ぶ。壁面には「どんぐりと山猫」のタペストリーも

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 「賢治の童話・絵本展~絵本で楽しむ賢治の世界~」が現在、もりおか啄木・賢治青春館」(盛岡市中ノ橋通1)で開催されている。

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 宮沢賢治の著作「心象スケッチ 春と修羅」「イーハトーブ童話 注文の多い料理店」の出版から今年で100年を迎えることから企画した同展。本年度から同館の指定管理が「いわてアートサポートセンター」になり初めての企画展であることから、賢治の親しみやすいところから取り上げたという。

 館長の坂田裕一さんは「注文の多い料理店は、9つの作品を収録した短編集として出版された。一緒に収録されている『どんぐりと山猫』や『鹿(しし)踊りのはじまり』も単体の作品として今は有名なので、短編集の中の一作だったことを知らない人も少なくはない」と話す。

 賢治が書いた童話作品は100作品以上あるとされ、展示の最初では年表パネルを用意し、どの時期にどんな作品を書いたのかを紹介。これまで絵本などとして出版された賢治作品を150点以上展示するほか、東日本大震災被災地の子どもたちへ本を届ける活動をしていた「3.11絵本プロジェクト」が制作した「どんぐりと山猫」のタペストリーや、賢治作品をモチーフにした人形も飾る。

 展示している絵本や賢治関連の本はショーケースに入っているものを除き、ほとんどは来館者が手に取って読むことができる。靴を脱いで上がれる読書スペースも設け、じっくりと本を楽しめるよう工夫した。

 坂田さんは「一つの作品が多数の絵本となって出版され、同じ作品でも時代や画家によってイメージが変わってくるのも魅力的だと感じる。現在に至るまでこれだけの本が出ているということは、賢治作品が長く親しまれている証拠だと思う。皆さんが初めて手に取った賢治作品はどれか、探しながら楽しんでほしい」と呼びかける。

 開館時間は10時~17時。観覧無料。第2火曜休館。6月9日まで。

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