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鉈屋町・回遊ルートデザインプロジェクトのレポートが完成 誰かの道しるべに

回遊ルートを載せたガイドマップとプロジェクトの過程をまとめたレポートの冊子

回遊ルートを載せたガイドマップとプロジェクトの過程をまとめたレポートの冊子

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 盛岡市鉈屋町周辺の歴史的な街並みや盛岡町家を生かした活動に取り組むNPO法人「盛岡まち並み塾」が3月21日、「地域住民の視点を用いた回遊ルートデザインによるまちの魅力増進・発信事業」のプロジェクトレポートを発表した。

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 同事業は、市と市民活動団体などが協働して街づくり活動などに取り組む「盛岡市市民協働推進事業」の一環として実施。同法人が運営する「大慈清水御休み処(どころ)」は、観光案内所としての役割も担う。施設を訪れる観光客から「鉈屋町周辺はどこを歩いて回るのがお薦めか」と聞かれることが多く、地域の魅力にまんべんなく触れてもらえる回遊ルートの設定とマップ作成を行う事業を提案した。

 ルート設定に当たっては、地域住民にインタビューを行い、地域の魅力や歴史、暮らし方、第三者へどのように案内しているかなどの情報を集め、パネル展としても発信。加えて、地域の小学校でグループワークを実施し、「ここにネコがいる」「ここは良い匂いがする」といった小学生からの情報を「一生活者の視点」としてガイドマップに取り入れた。

 収集した情報をプロジェクトメンバーで検討し、初級編・中級編・上級編の3コースを作成。初級編は寺院や井戸、中級編は街並みと舟運文化をテーマにし、上級編では両方を取り入れて地域全体を巡る形となっている。回遊ルートを掲載するガイドマップの表紙は住民インタビュー、裏表紙は地域全体のマップに一言コメントを添えたものになっている。

 「盛岡まち並み塾」の岩見麻梨子さんは「皆さんが持つ地域に対する誇りや愛着をパネル展で可視化したり、ガイドマップのような役立つ形に編集したりすることで、ここで暮らす皆さんや訪れる皆さんを助ける道しるべになると感じてもらえるプロジェクトにしようと思い描いてきた」と振り返る。

 プロジェクトの総括として、始まりから完成までの過程をまとめたレポートを作成。他地域で同様の取り組みをする時の参考にしてもらおうと冊子などで公開している。岩見さんは「鉈屋町の取り組みを知った人が『私もやってみたい』『私にもできそう』と思った時、完成品のルートやマップだけではなく、どのようにスタートして、どの道筋を進んだのかが残っていれば参考にしやすい。モデルケースとして役立ててもらえれば」と話す。

 ガイドマップやプロジェクトレポートは「大慈清水御休み処」で配布するほか、ウェブサイトに掲載している。

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