岩手県と化粧品メーカー「ポーラ」(東京都品川区)が1月19日、包括連携協定を締結した。
同協定については昨年5月、ポーラ側から同社の強みを岩手県の地域活性化に役立てたいと提案。連携事項の協議と並行して、結婚サポートセンター「i-サポ」の新規登録者向けにメークチケットを配布するといった取り組みに協力してきた。
協定では、ポーラが持つ美容・健康に関する知識や技術を活用し、県民サービスの向上や地域活性化、持続可能な地域社会づくりに取り組む。連携事項は、就職および女性活躍支援、出会い・結婚・子育て支援、健康で安心・安全な暮らしに関することなどの6項目。今後は県内の学生に対する就活メークの実施やインターンシップの受け入れ協力、婚活イベントでの美容ブースの設置、老人ホームでの美容イベント、復興イベントへの協力などに取り組んでいく。
県産食材の活用や県産品の販売促進も行う予定で、本社の社員食堂では22日から期間限定で岩手にちなんだメニューの提供や、社員向けの物産展を開催する。
19日に県庁で行われた締結式には、達増拓也県知事とポーラ社長の及川美紀さんのほか関係者らが出席。達増知事は「いわて県民計画に掲げる『お互いに幸福を守り育てる希望郷いわて』の推進に当たり、ポーラと協定を結ぶことは意義深く、多くの分野で連携できることを大いに期待する」と話した。
及川さんは「ポーラのショップやエステサロン、訪問販売では、地元の皆さんの就労の場づくりにつなげている。これを一つの得意技として、まずは就職や女性活躍支援の項目からしっかり進めていきたい。メークや美容の力で性別問わず自信をつけてもらうことは、地元企業への就職サポートすることにもつながっていく。ポーラも『幸せ』を企業理念に掲げている。志を共にする組織として、岩手の皆さんと一緒により良い幸福のために貢献していきたい」と思いを伝えた。
締結式では、達増知事が「昔、家にポーラの訪問販売が来て、家族が利用していた」と話す場面や、及川さんが「知事は肌がきれいなので、協定に知事の美肌を守るという項目も付け加えてはどうか」と提案する場面などが見られ、和やかな雰囲気で進んだ。
ポーラは2017(平成29)年に秋田県、昨年は青森県と包括連携協定を締結。「北東北3県で連携を進める効果にも期待したい」と及川さん。「少しでも多くの人に、健康で元気に、自分らしい美しさを保ってもらうことに貢献したい」と話した。