盛岡てがみ館(盛岡市中ノ橋通1)で現在、特別展「干支(えと)にちなんだ資料展-たつ-」を開催している。
同展では、辰(たつ)年に関連する資料51点を展示。書簡を中心とした資料を収蔵する「てがみ館」ならではの「年賀状」のほか、干支にちなんだ動物が描かれた資料、辰年生まれの人物などを紹介している。
最初のショーケースには、美術家の福田隆や洋画家の海野経が描いた辰年の年賀状のほか、1952(昭和27)年から2012(平成24)年までの辰年のお年玉切手シートなど新年らしいものが並ぶ。
展示資料の中でもユニークなのは、盛岡てがみ館が入居する複合施設「プラザおでって」のオープンを伝えるチラシ。同施設は2000(平成12)年に完成し、同館もオープン時から入居しているため、チラシにも名前が載っている。「辰年生まれの年男・年女ならぬ『年施設』といったところ」と学芸員の山崎円さん。「ここが2000年オープンであることはもちろん知っていたが、辰年の資料を探す中で2000年は辰年だと気付き、展示機会も少ない資料なのでこのチャンスに見てもらおうと思い付いた」と話す。
辰年生まれの人物としては、1880(明治13)年生まれで1940(昭和15)年の辰年に内閣総理大臣に就任した米内光政、1892(明治25)年生まれの俳人・山口青邨と芸術家の中井汲泉を取り上げる。米内を特集した雑誌や、中井による干支のデザインがまとめられた「汲泉先生年賀印集」といった資料のほか、山口青邨が辰年に発表した俳句を紹介する。
辰年に開校した盛岡中学校と岩手医学専門学校も紹介し、周年記念の絵はがきなどを展示。盛岡中学校は、企画展「盛岡の学校~なつかしの学び舎~」でも取り上げているため、2つの展示内容を併せて楽しめる。
「特別展と企画展のどちらにも関連する人物もいるので、両方の資料を行き来して楽しんでもらいたい」と山崎さん。「今は出す人も少なくなってしまったが、年賀状一枚でもその年を写す資料になる。改めて新しい年を迎えたことに思いをはせてもらえれば」と呼びかける。
開館時間は9時~18時(最終入場は17時30分)。入館料は一般=200円、高校生=100円、中学生以下と盛岡市に住所のある65歳以上は無料。第2火曜、2月14日~20日休館。3月19日まで。