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盛岡の生花店がドライフラワーカフェ 廃棄される花と街角に新たな価値を

ドライフラワーが飾り付けられた店内。シンボルツリー風の飾りも

ドライフラワーが飾り付けられた店内。シンボルツリー風の飾りも

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 ドライフラワー&カフェ「LOSS IS MORE(ロスイズモア)」(盛岡市青山2)が7月14日に開店した。

窓の外に付けられた木製の大きなロゴマークが目印

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 運営するのは、盛岡市内や矢巾町で生花店を営む「田村フローリスト」。「ロスフラワー(廃棄される花)に新しい価値を」をコンセプトに、廃棄される花を活用して作ったドライフラワーの販売とカフェ営業を組み合わせた。店名には、「廃棄されるものにもっと価値を」という意味を込めた。

 社長の田村正道さんは近年ドライフラワーが流行していることを知り、試しに作り始めたという。新型コロナウイルスが流行で卒業式や入学式、歓送迎会など花を贈る催しが相次いで中止となり、行き場がなくなって廃棄する花が増えたことも背景にあった。「花を廃棄せず、どうにか新しいものに変えられないかという思いもあった」と田村さん。

 ドライフラワーの写真をSNSに投稿すると反響があったほか、利用客からも好評を得た。田村さんは「売る予定はなく、遊びのつもりで作っていた。ドライフラワーに需要があると知り、新しいアイデアとして提供できるのではないか、お客さんに喜んでもらえるのではないかと思った。廃棄する花にも価値を与えることができるんだとうれしかった」と話す。

 生花店ならではの「ブーケやアレンジメントを作っている間、ゆっくり待ってもらう場所があれば」という悩みや、「青山町にはカフェが少ない」という考えからカフェと組み合わせた。同店が盛岡西警察署前の大きな交差点にあることから「交差点に面した景観を生かしたい」「古い場所を活用したい」という思いもあり、以前から倉庫として使っている場所を改装し、交差点側に大きな窓を取り付けた。

 店内は木材を使い、ドライフラワーを木に見立てた「シンボルツリー」風の装飾を施す。ドライフラワーは装飾に使っているものも含めてほぼ全てが購入可能。花を使ったワークショップやアレンジメント教室も行っている。現在提供するメニューはドリンクのみで、花のような香りや風味が感じられる2種類の「花を感じるブレンドコーヒー」(600円)などを用意。今後はスイーツメニューの提供も検討している。

 開店以来、SNSを見て県外から訪れる人がいるほか、地域住民の憩いの場にもなり始めているという。「店がある場所を盛岡の人は『西警の交差点』と呼ぶことが多いと思うが、『あのカフェがある交差点』と呼んでもらえるようになれば」と田村さん。「通勤通学でここを通る人も多いと思うので、ほっと一息つけるような経由地でもありたい。ドライフラワーと共に、ゆっくり時間を過ごして」と呼びかける。

 営業時間は10時~18時。木曜定休。

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