生花や防災用品を扱う物販店「松毬-chichiri-」(盛岡市南大通1)が2月5日に開業した。
同店を運営するのは、消防設備の点検や防災用品の販売などを行う「松栄商事」。同社では昨年、市内本町通にあった生花店「アサヌマ花店」の事業を継承し、防災用品販売を行う部門で生花販売を始めた。現在も同店が中心となって生花の販売を手がけ、同店が移転する形で新たな店を構えた。
「松毬-chichiri-」が入居する「松栄館」は、松栄商事の50周年事業として、設立当時の本社事務所をリノベーションしたテナントビル。入居するテナントを探している中で、生花事業を主体として物販店として入居することに決めた。同社社長の佐藤匡さんは「松栄商事は物品販売から始まった。縁あってアサヌマ花店の事業を受け継ぐことになり、花をきっかけに物品販売という原点に戻り、街ににぎわいをつくることができたらと考えていた」と話す。
店長を務める北舘和泉さんの「花屋をやってみたかった」という声も、事業継承や開業のきっかけになっている。北舘さんは「事業継承の話を聞いた時、昔から花屋さんに憧れがあったのを思い出した。アサヌマ花店の皆さんから教わりながらの日々で、実際にやってみると想像していた仕事と違って大変なこともあるが、皆さんに立ち寄ってもらえる場所になれば」と意気込む。
店では生花やフラワーアレンジメントのほか、観葉植物や花器も取り扱う。ショーケースには常時30種類ほどの花を用意し、アレンジメントの注文も受け付ける。2階には消火器や非常用食料品、防災用品を並べ、販売を行っている。「多くの人は『備えをしなきゃ』と思った時にしか防災用品を買いに行かない」と佐藤さん。「花を買いに来た時に目に入ることで日常的に災害に備えてもらったり、防災用品が必要になった時に『あの店でも買えるよね』と選択肢に入れてもらったりしたらうれしい」と話す。
店名の「松毬(ちちり)」は松ぼっくりのこと。松ぼっくりから花を咲かせたいという願いを込めた。オープン後は「アサヌマ花店」時代の常連客のほか近隣住民も訪れ、「何ができるのかワクワクしていた」や「花屋さんができて良かった」と声をかけて、会話に花を咲かせている。
北舘さんは「人が集まる場所になればと思っている。気軽に店に入って来てもらって、花でほっとした気持ちになってもらいたい。誰かに花をプレゼントしたい時、暮らしの中に彩りが欲しい時、思い出してもらえたら」と呼びかける。
営業時間は9時~18時。月曜定休。臨時休業などの最新情報はインスタグラムで発信する。