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盛岡市先人記念館の「古町名展」が2周目へ 紺屋町かいわいを再び取り上げ

紺屋町かいわいの歴史をたどる展示

紺屋町かいわいの歴史をたどる展示

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 盛岡市先人記念館(盛岡市本宮)で現在、「第16回 盛岡の古町名展 紺屋町かいわい~その2~」が開催されている。

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 「盛岡の古町名展」は市内の古い地名に焦点を当て、地域の歴史やゆかりのある先人などを紹介するもの。2006(平成18)年度に始まり、昨年度開催した第15回「三戸町かいわい」で一巡した。各地域の住民からも好評で、リピーターも多いという。

 今回から2周目に入り、16回目は第1回と同じく「紺屋町かいわい」を改めて取り上げる。「紺屋町かいわい」では、中津川に架かる上の橋・与の字橋・中の橋の間に広がる紺屋町・鍛治町・紙町の3つの地名を紹介。それぞれ、中津川を利用した紺屋(染め物屋)が集まっていたこと、盛岡藩の刀鍛冶や鉄砲鍛冶、農具の野鍛冶が住んでいたこと、紙商人を住まわせていたことなどが町名の由来となっている。

 町名の通り、職人が暮らした地域である一方、盛岡城下を通る奥州街道に沿って発展し、現在の滋賀県からやって来た「近江商人」を中心に商人が暮らした街でもある。明治時代には金融機関や電気会社が設立したことで経済の中心地にもなっている。今回は第1回の展示を参考に、新たな情報を加え、121点の資料で地域の歴史を紹介する。

 担当学芸員の坂本志野さんは「紺屋町かいわいは商業と文化が発展し、今も残る地域。盛岡の中心として身近な地域だが、2回目の展示を通じて再発見することも多くある。私も展示の準備を進める中で学んだことがたくさんあった」と話す。

 展示の最初では紺屋町かいわいの発展の歴史を中心に紹介。その後、地域に関係する会社や工房、商店、建物などについて取り上げる。南部紫根染で知られる「草紫堂」や1908(明治41)年創業の染め物店「巴(ともえ)染工」、南部鉄器の老舗「南部鉄器 釜定」といった現代まで続く工房の作品や、「盛岡銀行本店(現・岩手銀行赤レンガ館)」の建設中の写真など貴重な資料も並ぶ。

 「個人的に面白いと思うのは盛岡銀行本店建設中の写真」と坂本さん。「上棟式を記念して撮影されたもので、工事中の足場に関係者が並んで写っている。興味深いのは、撮影者も高い場所にいること。どこから撮ったんだろう、と考察するのも楽しい」と話す。

 展示の最後には現在の紺屋町周辺で行われている「もりおか中津川まち歩きスタンプラリー」と「紺屋町奥州懐道アンチック市」の2つのイベントも紹介。坂本さんは「展示を見た後に、取り上げた地域を歩いてみてもらいたい。紺屋町かいわいは商業と文化が発展した場所。染め物のように現代でも色あせない職人たちの技術、商人たちの心が今も息づいているのを感じてほしい」と呼びかける。

 開館時間は9時~17時(入館は16時30分まで)。入館料は一般=300円、高校生=200円、小・中学生=100円。月曜、毎月最終火曜、12月29日~1月3日休館。2月12日まで。

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