スパイスや雑穀などの食材を量り売りする店「秤 HAKARI」(盛岡市材木町)が11月19日にオープンした。
店主は、市内で「Sake & Wine Mine(ミネ)」を営む山本茂直さん。スパイス好きの山本さんは、オーストラリア・メルボルンにある量り売りでスパイスや塩などを販売する専門店を知り、「岩手にもこういうスタイルの店があるといいな、やってみたいなと考えてきた」という。コロナ禍の影響を受けながらも、やりたいことを形にして提案してみようと開店を決めた。
現在、店で量り売りを行っているのはスパイス、雑穀、塩、コーヒー、スーパーフードなど40種類ほど。コンセプトは「必要な人に必要なものを必要な分だけ」。最低20グラムから、利用者が必要な量を専用の袋に入れる。店内のテーブルや棚には商品が入った瓶が並び、シナモンやカルダモン、ブラックペッパー、ターメリックといった定番のスパイスのほか、カカオニブやココナツチップスなど珍しいものも取り扱う。量り売り以外には蜂蜜や食用油も取り扱い、日によっては野菜やパンの販売も行う。
「量り売りは目的ではなく手段」とする山本さんは、自身を「つなぎ手」と表現する。山本さん「良いものがあっても、良さがうまく伝わらずに避けられる食材は多い。私たちがその食材の良さや使い方、生産者のことや生産地のことを伝えて、適切な価格で必要な分だけ分ける。気になったら量り売りで少しだけ手に取ってもらい、良かったものはまた購入してもらう、という流れを生むきっかけになれば」と話す。
「スパイスや雑穀について日常的な使い方を知ってもらいたい」という考えもあり、店内では来店した人と店員が食材の風味や使い道について話す様子が見られる。今後は利用者の要望などを取り入れながら扱う食材の種類を増やし、県内や北東北の生産者による食材の紹介、オリジナルのミックススパイスやミックスソルトなどの販売も目標としている。
山本さんは「使い方を知らないから使い切れない、使い切れないから購入をためらうという人もいると思う。つなぎ手として使い方やレシピ、生産者のことを伝えることで、巡り巡って生産者や生産地に役立つような、持続性のある量り売りにしたい。まずはどんなものがあるか、気軽に立ち寄って」と呼びかける。
営業日時は金曜~日曜の11時~17時。最新の営業情報はツイッターとインスタグラムで発信する。