盛岡市の景観重要建造物「紺屋町番屋」で現在、ドイツの工芸品や欧州のクリスマス雑貨などを展示・販売する「紺屋町番屋クリスマス・フェア2022」が開かれている。
「紺屋町番屋」は建物の老朽化などに伴った改修工事を経て、物販コーナーやカフェ、機織り工房を備えた交流・体験施設として今年3月にリニューアルオープン。社会福祉事業などを手がける「ほっぷステップ」が市から借り受ける形で運営を行っている。
同社の代表社員・岩渕公二さんは以前、菜園でドイツのぬいぐるみブランド「シュタイフ社」の公式店「シュタイフ盛岡店」を運営。市内の百貨店で「シュタイフ・クリスマス・フェア」を開催してきたが、新型コロナウイルスの影響を受けて2020年からは中止となっていた。同店は紺屋町番屋のオープンに合わせて菜園から番屋へ売り場を移動。これをきっかけに、3年ぶりにクリスマスイベントを復活させることにした。
「せっかくなら番屋の洋風な建物と歴史ある風情を生かして、この雰囲気にマッチしたイベントにしようと思った」と岩渕さん。そこで欧州で開かれている「クリスマスマーケット」をヒントに、シュタイフと同じドイツや欧州の工芸、クリスマス雑貨を紹介するアイデアを思い付いた。
今回は施設内のショップスペースの一角に棚を設けて、欧州の工芸品や雑貨の展示販売を行う。木工玩具作りが盛んなドイツ・エルツ地方の工房で作られたくるみ割り人形やお香を入れると煙が出る「煙出し人形」、フランスやデンマークなど欧州で仕入れたクリスマスカードやクリスマス雑貨が並ぶ。雑貨の中にはアンティーク品もあり、古い年代の布製カレンダーや、中に飲み物を入れてクリスマス当日まで1目盛りずつ減らしていく「クリスマスボトル」などを取り揃える。
「例えば、くるみ割り人形も名前や曲を知っていても実物を見たことがないという人もいるのでは」と岩渕さん。「ドイツをはじめヨーロッパの工芸品を間近に見て、触れる機会も少ないと思うので、まずは気軽に遊びに来てもらいたい。そして、自分のお気に入りの品や誰かへの贈り物を選んでもらえれば」と呼びかける。
営業時間は10時~17時。月曜定休。今月25日まで。