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盛岡の民俗芸能を動画でPR 興味関心高めて、継承へ

市民になじみある「さんさ踊り」の中でも、「伝統さんさ」は地域ごとに踊りが異なるのが特徴

市民になじみある「さんさ踊り」の中でも、「伝統さんさ」は地域ごとに踊りが異なるのが特徴

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 盛岡市は現在、「もりおかの民俗芸能PR動画」を動画配信サイト「ユーチューブ」の盛岡市公式動画チャンネルで公開している。

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 盛岡には数多くの民俗芸能がある一方、それらを網羅的に紹介するコンテンツは少なく、書籍など紙媒体に限られている。地域の人々が民俗芸能の価値を十分に認識できていない現状、「さんさ踊り」以外の民俗芸能は魅力資源としての周知が十分でない状況もある。併せて、少子化による後継者不足も課題となっている。

 そこで、紹介動画を全国・世界に発信することで、子どもや若者世代、観光客、外国人の民俗芸能に対する理解・関心を高め、民俗芸能団体への加入者増加にもつなげ、民俗芸能の保存と今後の確実な継承の促進を図る。

 市内の民俗芸能を大きく分類すると、神に奉納するために奏する「神楽」、お盆やお祭りで踊る「さんさ踊り(伝統さんさ踊り・統一さんさ踊り)」、死者・先祖供養や悪霊払いのために踊る「念仏剣舞(けんばい)」、米の豊作を祈る「田植え踊り」、鹿や獅子をかたどった頭(かしら)をかぶって踊る「獅子踊り」の5種類になるという。

 動画は市内の各地域に伝わるそれぞれの芸能から1団体ずつ撮影を依頼。神楽は大宮神楽保存会、伝統さんさ踊りは盛岡さんさ踊り清流、統一さんさ踊りはミスさんさ踊りの皆さん、念仏剣舞は簗川高舘(やながわたかだて)剣舞保存会、田植え踊りは黒川田植え踊り保存会、獅子踊りは山岸獅子踊保存会が出演する。撮影場所は各団体にゆかりのある場所や名所を選び、ドローンを一部使用するなどし、見る人を飽きさせない、迫力のある映像に仕上げた。動画内ではそれぞれの団体が踊りを披露し、歴史や見どころなどについても伝える。

 市によると、動画視聴者からは「かっこいい」「ロケ地がいい」といった声があると共に、他の団体から「うちの団体でも撮影してほしい」という要望があるなど評価・反響を得ているという。PR動画の制作を含めた民俗芸能の周知活動は今後も継続して取り組む考え。

 市教育委員会事務局歴史文化課の担当者は「いにしえより伝わる自然と歴史が融合して生まれた民俗芸能の魅力を見てもらいたい」と呼び掛ける。

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