のぼり旗や横断幕などの印刷を手掛ける「オノデラサイン」(二戸市)が12月2日、サッカーJ3の「いわてグルージャ盛岡」を応援する横断幕を、同チームのサポーターへ寄贈した。
「いわてグルージャ盛岡」は11月28日に行われたホーム最終戦でカターレ富山に勝利。他会場の結果次第でJ2昇格が決まったが、最終節へ持ち越しとなり、現在J2昇格圏内の2位につけている。12月5日に静岡県沼津市で行われる最終節でアスルクラロ沼津に勝利するとJ3優勝とJ2昇格、引き分けでJ2昇格が決まる。仮に負けた場合も他のチームの結果次第ではJ2昇格となる。
横断幕を製作した「オノデラサイン」の社長・小野寺久治さんはホーム最終戦をテレビで観戦。次のゲームにJ3優勝とJ2昇格が懸かっていると分かると、「自分の会社でも何か後押しできることはないか」と考え、スポーツ関連の仕事を請け負っていることから、グルージャサポーターへ横断幕の提供を決めた。そこで、同じ二戸市にあり、グルージャのオフィシャルパートナーでもある「小松製菓」の社長・小松豊さんへ相談。小松さんはサポーターに声を掛ける仲介役を務めた。
小野寺さんは「自分もサッカーが好きで、グルージャは地元のチーム。大事なタイトルが懸かった状況で、何か一つ皆さんを後押しができればと思った。サポーターの思いを沼津へ届け、士気のアップにつながれば」と話す。
サポーターへ贈られたのは横7.5メートル、縦2.5メートルの横断幕。サポーターの要望を受けて「一岩昇鶴(いちがんしょうかく)」の文字を力強い筆文字の書体でプリントした。「一岩」はグルージャのチームスローガン。「昇鶴」は、「グルージャ」がスペイン語で鶴という意味であることから、昇格への思いを「鶴」の字で表している。
このほかにも横5.4メートル縦1.8メートルのミニ横断幕と、横断幕と同じデザインののぼり旗50本が、最終節のパブリックビューイングが行われるスポーツカフェ「オンリーワンダースタジアム」へ贈られた。のぼり旗は同カフェがある肴町商店街アーケード内にも飾られている。
横断幕はサポーターを代表し小原雄宇さんが受け取った。小野寺さんは「沼津へ応援に行けないサポーターの思いと共に、一岩昇鶴、応援をお願いします」と手渡した。小原さんは「アウェー戦なので、サポーターがホームと同じ環境をつくり出してチームを鼓舞する。この横断幕を応援席のど真ん中に掲げて選手を後押ししたい」と意気込んだ。
のぼり旗とミニ横断幕を受け取った「オンリーワンダースタジアム」の筒井一海さんは「パブリックビューイングは申し込み開始2日ほどで満席。たくさんの人がタイトルの懸かった試合に期待を込めているのが伝わってくる。地元のプロチームをもっと盛り上げたい」と話した。
「グルージャはJリーグに上がるまでも長かった」と小原さん。「Jリーグ8年目でつかんだ、昇格と優勝のチャンス。今は大きな声を出して盛り上げることはできないが、手拍子などで選手や監督のために応援したい」と話す。
12月5日は14時キックオフ。