「もりおか町家物語館」大正蔵2階「時空(とき)の展示室」(盛岡市鉈屋町)で現在、「懐かしの映画資料展」が開催されている。
会場となる「時空の展示室」は今年4月にリニューアルオープンし、盛岡市が所蔵する美術品などの展示を定期的に行っている。今回の展示資料も市内の映画関係者などから市へ寄贈されたものだという。
寄贈された資料の数は膨大で、同施設の担当者によると「8000点はあると思う。ここに展示してあるのはほんの一部分に過ぎない」という。その一方で資料の活用機会は少なく、日の目を浴びないものも多い。これを機にたくさんの人に見てもらおうと展示会を企画した。
展示は1期と2期に分け、1期は1960年代、2期は1980年代をテーマに、邦画・洋画の上演作品ポスターやパンフレット、雑誌、市内の映画館で毎週発行された上映案内「週報」などを展示する。現在行われている1期では、「ベン・ハー」「ウェストサイド物語」「イエローサブマリン」「マイ・フェア・レディ」など13作品のポスターが並ぶ。展示室中央には、「みちのく国際ミステリー映画祭」のゲストとして来盛した宍戸錠さんと真田広之さんの手形も飾られている。このほか、市内にあった映画館の外観写真から「映画の街」とも呼ばれる盛岡の歴史も振り返る。
担当者は「盛岡といえば映画館通りのイメージが強いが、県内初の常設映画館は現在の肴町の辺り、昔は生姜町と呼ばれていた地域に誕生した『紀念館』。名前を知っている人はいると思うが、写真を見ると本当にあったのだなという気持ちになる。今はなくなってしまった劇場もあるので、写真を見て懐かしんでもらいたい」と話す。
併せて、鉈屋町出身の女優・三原葉子さんを紹介する「三原葉子の思い出展」、以前は常設展示を行っていた昭和時代のおもちゃを展示する「昭和レトロなおもちゃ展」も開かれている。「三原葉子の思い出展」は「三原葉子を語る会」の監修の下、三原さんの生い立ちを紹介するパネルや出演作品の写真、本人が着用したコート、台本などを展示する。
担当者は「今回の展示の魅力は一つの会場で昭和の懐かしさやレトロな雰囲気に触れられること。映画好きの人、昭和の時代を知る人、知らない人も一緒になって『こういうことあったな』という懐かしさ、『こういうものがあったんだな』という新鮮な発見を楽しんで」と呼び掛ける。
開館時間は9時~19時(最終入場は18時30分)。第4火曜休館。入場無料。第1期と「三原葉子の思い出展」は12月19日まで。第2期は来年1月7日~3月21日を予定。「昭和レトロなおもちゃ展」は3月21日まで。