「紅葉の庭園ライトアップ」が11月10日、国の登録記念物、盛岡市指定の保護庭園・景観重要建造物で、いわて生協所有の「南昌荘」(盛岡市清水町)で始まった。
同施設の庭園には約40本のヤマモミジを中心に、紅葉する樹木約50本が植えられ、紅葉が見頃に合わせ、開館時間を延長して毎年紅葉のライトアップを実施。赤や黄色に色づいた葉が光を浴び、秋の夜闇に美しく照らし出される。
周辺を住宅街に囲まれているため、寒気にさらされることが少なくゆっくりと色づくのも特徴。ライトアップの期間は前年の様子などを参考に決めているといい、早すぎたり遅すぎたりしてしまうのが悩みの種でもあるという。公園などでは紅葉の見頃が終盤に差し掛かっているが、庭園のモミジなどは例年通りに見頃を迎えた。
今年は期間中の天候が心配され、天気予報では雨マークが並ぶ。ライトアップ初日も時折小雨が落ちるあいにくの天気となったが、同施設の牧野典子さんは「南昌荘の魅力は建物の中からも庭園の紅葉が楽しめること」と話す。「庭園に出て間近で見るのも、窓辺から眺めるのも、それぞれ一味違った美しさがある」とも。30畳の板の間に紅葉が映り込む「床もみじ」も職員らのお薦めだという。
牧野さんは「毎年モミジの様子を眺めていて思うのは、なぜ葉が色づくのだろうということ。そのまま葉を落としてもいいのに、まるで『私を見て』と声を掛けてきているように感じる。昼と夜とで庭園の雰囲気もがらっと変わる。コロナ禍もあり、夜にお出掛けする機会も減っていると思うので、夜の庭園を眺めて、季節の美しさを楽しんで」と呼び掛ける。
期間中の開館時間は10時~19時30分(最終入場は19時)。入園料は大人=300円、小中学生=150円。ライトアップは今月14日まで。期間中はしの笛のコンサートや手作り品の展示会も行われる。