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岩手高校の生徒と台湾の高校生がオンライン交流 コミュニケーション力向上を

交流会の様子。スクリーンに台湾の高校生らの姿が

交流会の様子。スクリーンに台湾の高校生らの姿が

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 岩手高校(盛岡市長田町)の生徒と台湾・桃園市立桃園高級中等学校日本研究部の生徒らによるオンライン交流会が6月18日、行われた。

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 交流を行うきっかけとなったのは、昨年盛岡市内で行われた台湾をテーマにしたイベント「盛岡台湾Happyフェス」に同校の国際交流部が参加したこと。同じくイベントに出店していた市内の台湾茶カフェ「fu-dao(フーダオ)」の店主で台湾出身の菅沼麗文(れいぶん)さんから桃園高級中等学校の生徒との交流について提案があり、今回挑戦することとなった。

 オンラインでの国際交流は同校でも初めての取り組み。今回は国際交流部がリーダーとなり、生徒会執行部の協力を得て企画を進めた。国際交流部と生徒会執行部のほか、全校生徒から希望者を募り、当日は計42人が参加。生徒らは「台湾についてのニュースを見る機会が増え、台湾を知りたくなった」「台湾の学校生活に興味がある」「日本の文化についてどれくらい知っているか気になる」といった思いを持って参加を希望した。

 交流会の事前準備として、互いの国の日本のお菓子と学校記念品を交換。日本から送るお菓子については、季節限定の商品やワサビ・梅といった日本らしい味を選ぶなど工夫を凝らした。交流会で使用する学校紹介動画も作成。交流に参加する生徒全員が登場し、学校生活や部活の様子などを紹介。動画には国際交流部が英語ナレーションを付け、「早弁」について取り上げるなどユニークな内容も取り入れた。

 交流会当日、桃園高級中等学校はコロナ禍の影響で休校中のため各自の自宅からビデオ通話で参加。岩手高校では体育館にスクリーンを設置して生徒たちが集まった。大人数のため、生徒らは1人ずつカメラに向かってポーズを取り、手を振りながら体育館へ入場。台湾の高校生らも手を振って応えた。

 生徒らは英語を使って会話をし、送ったお菓子のプレゼンや質問コーナーなどで交流を深めた。岩手高校側には英語が苦手な生徒も多く苦戦する様子も見られたが、ジェスチャーを交えて話し、伝わったことが分かると「通じた」と喜んだ。漫画やゲームといった高校生らしい話題で盛り上がり、「どうしたら英語がうまくなるか」という質問に、台湾側の生徒は「動画サイトで英語の動画などを見ている」とアドバイスを送った。

 交流後のアンケートでは「台湾の高校生と交流ができてうれしい」「好きなゲームの話で盛り上がれて楽しかった」「文化の違いを感じ、刺激を受けた」といった感想があった一方、「英語力のなさを痛感した」「台湾の生徒は日本語・英語・中国語を話していてすごい」「もっと勉強したい」といった声が集まった。桃園高級中等学校の先生からは「英語が苦手だというのは事前に聞いていたが、岩手高校の生徒たちはユーモアがあり、面白く、ビジュアル的に分かりやすい。学校紹介動画についても生徒たちが喜んでいた。交流を続けたい」と感想が届いた。

 「交流を続けたい」という言葉に、岩手高校の生徒も喜んだという。国際交流部部長の吉田蒼さんは「国際交流部の枠を超えて、たくさんの生徒と交流会に参加し、発見を共有できたことは良かったと思う。台湾の高校生の姿を見て、英語力やコミュニケーション力が不足していると感じ、自ら進んで学び、アクションを起こそうと痛感した」と話す。生徒会長の相良豪壮さんは「交流の質については、桃園高級中等学校の生徒との差を見せつけられた。これは岩高生の質を向上させるヒントになる。この経験はこれからの財産になる」と意気込んだ。

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