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10巻目の「コミックいわて」発売 10周年迎え、コロナ禍や震災テーマの作品も

3月19日に発売した「コミックいわて+(テン)」の表紙

3月19日に発売した「コミックいわて+(テン)」の表紙

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 岩手県を題材にした漫画作品集シリーズ第10弾「コミックいわて+(テン)」が、3月19日に発売された。

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 岩手県では2011(平成23)年に、達増拓也県知事の責任編集の下、岩手にゆかりのある漫画家らによる岩手を題材にした作品を収録した「コミックいわて」を発売。一時は品薄状態になるなど人気を集めた。その後、2012(平成24)年に第2弾を発売。2013(平成25)年には県公式のウェブ漫画サイト「コミックいわてWEB」の運営をスタートし、同サイト内で配信した作品をまとめたものを単行本として発売し続けてきた。

 「コミックいわて」は今年で10周年を迎え、単行本も10巻目。今回の表紙は昨年デビューした県公式バーチャルユーチューバーの「岩手さちこ」が、「10巻・10周年」を表現した両手を広げたポーズで登場する。「疫病退散」をキーワードにした岩手に関する妖怪たちも描かれ、「アマビエ」や「座敷童(わらし)」のほか、癒やし担当として県のマスコットキャラクター「そばっち」も表紙を飾る。

 10周年を記念した企画としては、過去に「コミックいわて」に参加した漫画家や、「マンガいわて特別賞」受賞者など18人の漫画家から寄せられたお祝いメッセージサイン色紙を掲載。東日本大震災から10年が経過したことにも合わせ、震災に関連した記事や、収録作品の中で震災に関係する作品の紹介ページも用意した。

 収録作品は、表紙にも描かれた「岩手さちこ」を題材にした篠原ウミハルさんによる「岩手さちこと申します!」、7年ぶりの参加となる池野恋さんの「森のおくりもの」、「第3回いわてマンガ大賞」大賞受賞者・東野柚子さんの「雨ニモ風ニモ」など全12作品。宮古市のご当地グルメ「瓶ドン」が登場する青木幸子さんの作品「いつまでも絶えることなく」は、SNSで「瓶ドン」が話題になると「コミックいわてWEB」での閲覧数が増え、読者からは「いつか岩手に行きます」というコメントも寄せられた。

 文化振興課の担当者は「ウェブ版と単行本版の違いを楽しんでもらえるのもコミックいわての魅力。例えば『いつまでも絶えることなく』の瓶ドンが登場する場面の見開きページはウェブだとカラーだが画像が少し小さめ。単行本はモノクロでも大きな絵で迫力やおいしさが伝わってくる」と話す。

 今回の収録作品にはコロナ禍の中にある今の時勢を描いたものも多い。担当者は「コロナ禍を乗り越えた時、漫画で『あの時はこうだったね』と振り返ることもできると思う。読者の皆さんの『岩手に行きたい』というコメントにはわれわれも元気や勇気をもらっている。今は漫画で岩手の魅力に触れ、コロナ禍が無事に去った時に遊びに来てほしい」と呼び掛ける。

 価格は800円。県内主要書店などでの店頭販売のほか、インターネット販売も行っている。

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