漆の精製加工・漆塗り製品の販売などを行う「浄法寺漆産業」(盛岡市北飯岡)は、軽米町の「福田木工所」と共同で、岩手県産材を使った木製の足踏み式消毒液スタンド「クラフトマンスタンド」を開発した。現在、予約を受け付けている。
「クラフトマンスタンド」は、市販のアルコール消毒液や除菌用ジェルなどの容器を台座部分に置き、スタンド下部にあるペダルを踏むとポンプが押されて液が出る仕組み。ポンプに触れることなく、衛生的に手指の消毒ができる。
開発に至ったきっかけは、コロナ禍の影響が長期化する中で、ストレスや不安を少しでも解消できるよう、「温かみが感じられるスタンドが作れないか」という「浄法寺漆産業」の松沢卓生さんの考えだったという。新型コロナウイルス感染症の対策のため、さまざまなタイプの消毒液スタンドが販売される一方、木製タイプのスタンドが少ないという点にも着目し、「クラフトマンスタンド」のアイデアが生まれた。
「クラフトマンスタンド」には県産のスギの無垢(むく)材を使用。保育園や幼稚園などへの設置のほか、幅広い年代が利用する施設で子どもが使うことを想定し、サイズは一般用と子ども用の2種類を用意した。一般用は高さ97センチ・1.6キロ、子ども用は72センチ・1.4キロ、両サイズ共通で幅27.5センチ、奥行き27センチとなる。
軽量で取り扱いがしやすく、シンプルな構造で丈夫なのが特長。台座に置いた容器は専用のゴムで固定し、容器のサイズに合わせて台座の高さを調整する。組み立てや電源の必要もなく、置く場所も選ばずにすぐに使うことができる。
「木のぬくもりが、少しでも癒やしになれば」と松沢さん。「手指消毒が習慣となりつつある中で、このクラフトマンスタンドが普及して、皆さんの心を和ませる存在になれば」とも。
価格は一般用=3万800円、子ども用=2万9,700円。「浄法寺漆産業」のウェブサイトで予約を受け付け、随時発送する。