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盛岡で「ハラケイ入門」再び 100回忌に合わせ、内容アップデート

入り口にはマスクを着けた原敬のパネルも。「スペイン風邪」にかかったことから注意を呼び掛け

入り口にはマスクを着けた原敬のパネルも。「スペイン風邪」にかかったことから注意を呼び掛け

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 原敬記念館(盛岡市本宮)が現在、原敬100回忌記念特別収蔵資料展「ハラケイ入門・改」を開催している。

今回新たに加わった資料の1つ、パリ時代のアルバム

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 2016(平成28)年に行われた企画展「ハラケイ入門」に、最新の情報を加えた内容となる同展。今年原敬が100回忌を迎えることから、同館では特別企画展の開催を予定していたが、新型コロナウイルス感染症の影響を受け来年度へと延期を決定している。それに代わるものとして、急きょ企画した。

 展示の構成は変わらず、同館の収蔵資料を通じて、原敬の生涯について順を追って紹介する。前回の開催から4年が経過し、近年の研究で判明したことも多いという。最新の情報は「ここが改」というパネルを使って解説。原敬の諱(いみな、実名のこと)が分かったことなどを取り上げている。

 展示する資料は56件129点。前回と同じく原自身がつけていた日記「原敬日記」の原本全83冊や暗殺された時に着用していた衣服といった資料のほか、母・リツの遺品や、西園寺公望に宛てた手紙、原敬がパリ公使館時代に写真を集めていたアルバムなどが新たに加わった。

 パリ時代のアルバムには113点の肖像写真が収められている。各国の王侯貴族のほか、フランスの作家であるヴィクトル・ユーゴーやジュール・ヴェルヌ、学者のルイ・パスツールなどさまざまな著名人の顔が並び、多くの関心を持ち勉強家だったことから、顔を覚えるために購入した写真だと思われている。公使館に訪れた日本人の写真も多く、裏にサインが書かれているものもあることから、名刺代わりに渡していたとも考えられるという。

 担当学芸員は「コロナ禍の中、さまざま大変な状況ではあるが、しっかりと資料を整理する時間が増えたのは幸いだった。若い頃に関する資料と、首相時代の資料を比べると、若い時から将来実施する政策に目を付けていることが分かる。計画を練って着々と準備し、実行してきたという側面から、原の政策に関する評価も変わってきている。新しい情報を知りたい人、実はよく知らないという人にお薦めの展示内容になっている」と来館を呼び掛ける。

 開館時間は9時~17時(入館は16時30分まで)。入館料は一般=200円、小・中学生=50円。2021年1月11日まで。

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