自然体験施設「まほら岩手」(盛岡市薮川)が9月19日と20日の2日間、「キャンプ選手権」を開催する。現在参加者の募集を受け付けている。
同施設は盛岡の建設会社「岩手マイタック」が、地域活性化をメインテーマに環境保護や環境教育などの事業に取り組むために立ち上げた。広大な里山で農業体験や自然散策などを楽しめる。2018(平成30)年からはキャンプ場をオープンしたが、なかなかPRを行うことができず、「知る人ぞ知る」という状態になっていたという。
施設を知ってもらおうという思いから、さまざまなイベントを企画。春と秋にはキノコ狩り体験を行っているほか、昨年の夏には水鉄砲を使い、相手の体に付いた的を目掛けて水を掛け合う「水鉄砲バトル」を初開催し、好評を得て今年の8月にも行った。
「キャンプ選手権」は、キャンプ場の認知度を高めるイベントとして企画。今回が初開催となる。企画を担当する久保田梓さんは「昨今のキャンプブームに加え、新型コロナウイルスの影響もあってか、今年はアウトドアへの注目度が高い。このキャンプ場について知ってもらい、通年通して訪れる人が増えれば」と話す。「この施設に来てもらうというよりは、薮川に来てもらおうという思いが強い。薮川は人が少ない地域。ここに足を運んでもらうことをきっかけに、地域全体が潤い、良い流れをつくりたい」とも。
「キャンプ選手権」は「キャンプ飯」「キャンプサイトコーディネート」「アウトドアスキル」の3種目を用意。「キャンプ飯」は制限時間内にお題に沿った料理を3人前作り、審査員が試食。見た目・おいしさ・テクニック・オリジナリティーの4項目で採点し競い合う。料理のテーマは1回戦が「カレー」。1回戦の上位者が決勝に出場し、決勝のテーマは「肉料理」となる。
「キャンプサイトコーディネート」は参加者が自分のキャンプサイトをコーディネートし、審査員と入場者が投票を行う。女性キャンパーの増加や「写真映え」のはやりから取り入れた。「アウトドアスキル」は火起こしや片付けなどキャンプの基本となるスキルを競い合う。1回戦は「寝袋たたみ」、決勝戦が「火打石での火起こし」で、審査員がスピード・テクニック・美しさの3項目を評価する。
「選手権」と銘打っているが、キャンプ好き同士の交流や情報共有をイベントのメインに据え、「好きこそ、ものの上手なれ」をテーマに掲げる。調理や使う道具、方法など、キャンプにはそれぞれのやり方があり、キャンパー次第で幅が広がることから、互いのこだわりや良さを分かち合うきっかけ、初心者に向けたアイデア共有の場としても期待を込める。
「私自身も誰かがキャンプをしているところを見るのが好き。キャンプ場に来た人が、自分の知らない道具を使っていると『お!』と興味を持ってしまう」と久保田さん。「コロナ禍で不便な状況ではあるが、その中で楽しめるよう対策をしながら実施する。キャンプ好きの人の出場はもちろんだが、キャンプに興味がある人、これから始めたい人の観戦も大歓迎。ぜひ足を運んで」と呼び掛ける。
選手権の参加は事前予約が必要。定員は「キャンプ飯」と「アウトドアスキル」が10人、「キャンプコーディネート」が40組。キャンプサイト利用料は3,000円、入場料は500円(小学生以下無料)。申し込みはホームページで受け付ける。9月5日締め切り(予約状況によっては延長)。