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肴町アーケードに妖怪が出現? 足跡たどって散策楽しんで

肴町商店街アーケードに突然現れた3つの妖怪の足跡。アーケード内の店を巡っているように見える

肴町商店街アーケードに突然現れた3つの妖怪の足跡。アーケード内の店を巡っているように見える

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 肴町商店街アーケード内に8月20日、3匹の妖怪らしきものの足跡が現れ、話題となっている。

 妖怪の足跡は、岩手大学が行う地域貢献を目的としたプロジェクト「地域課題解決プログラム」の一環で設置されたもの。地域社会が抱える課題を学生の研究テーマとして募集し、学生らが指導教員と共に課題解決に向けた展開を提案する。肴町商店街では昨年度からこのプログラムを活用し、商店街の魅力づくりや活性化に取り組んでいる。

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 本年度は肴町商店街振興組合青年部(4S会)が「肴町における高齢者にやさしいアーケードのデザイン」テーマで応募。「4S会」メンバーの齊藤健吾さんは「昨年度は新規出店者に向けたものだったが、今回は普段からアーケードを訪れる機会が多い高齢者や子どもたちに向けたテーマ。商店街は地域課題の集まりのような場所。さまざまなアプローチができる」と話す。

 テーマを選んだ背景には新型コロナウイルス感染症の影響もある。感染拡大を防ぐため外出する回数が減り、運動不足による体重増加、体調不良といった事例が報告されているのを知った「4S会」メンバーらは、状況を改善するためにもアーケードの中を楽しく歩くことで、運動不足の解消や商店街の店舗を知ってもらうきっかけにしてもらおうと考えた。

 それを受け、大学側から「アーケードの道に足跡を貼り、それをたどって歩いてもらうのはどうか」と提案。妖怪「アマビエ」の人気などから、3匹の妖怪がそれぞれ3つのテーマでアーケード内の店を巡って歩くような物語を付け加えた。

 妖怪の登場に合わせて「4S会」メンバーは、「江戸時代の肴町に店を構えていた小野家の敷地にあった井戸から妖怪が現れ、『近いうちに大飢饉(ききん)になるから、備えて蓄えをしておくように』と使用人に伝えた」という架空の言い伝えを創作。現れた妖怪の足跡を飢饉退散のお守りとして受け継いでいたという話も作り、今回現れた「妖怪の足跡」につなげた。

 3匹の妖怪は、DIYやものづくりが好きな「レイナン」、くいしんぼうの「カノン」、美容と健康に興味がある「サクラン」。3匹の足跡は人文社会学部の学生3人がデザインし、妖怪の名前も学生の名前にちなんでいる。妖怪たちはテーマに沿った店を回るように歩き、そのルートに沿って足跡が貼られている。

 足跡の貼り付けについては6月中旬から耐久テスト貼り付け方の検討を開始。足跡に使っているシールはアーケード内の「平金商店パステル館」が提供した。足跡は約360メートルのアーケード街の路上に、高齢者の歩幅に合わせた50センチ間隔で貼られている。

 「出店者にとってアーケードは大切な場所。そこにシールを貼るのはなんだかいたずらしている気分で、大人たちが童心に返って『これは面白いぞ』という声が集まった」と齊藤さん。「足元を見て『なんだろう』と話しながら歩いている人も増えてきた。足跡の新たな活用法も考えたい。まずは妖怪たちとアーケード散策を楽しんで」と呼び掛ける。

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