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「旧石井県令邸」で館内ツアー開催へ 青葉の季節に歴史と美しさ紹介

青々としたツタに覆われた「旧石井県令邸」。外観も美しく、館内に吹き込む風も心地よい季節

青々としたツタに覆われた「旧石井県令邸」。外観も美しく、館内に吹き込む風も心地よい季節

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 盛岡市の保存建造物「旧石井県令邸」(盛岡市清水町)で6月20日・21日、「県令邸ガイドツアー」が開催される。

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 展覧会やイベント会場としても利用されている同施設。新型コロナウイルス感染症の影響を受け、今年3月ごろからイベント・展覧会の中止が続き、9月まで開催を予定していた全ての展覧会がキャンセルとなっているという。一方、外壁を覆うツタの緑が濃くなり、窓から吹き込む風の心地よさもあり、見学するのには良い季節となってきている。

 「多くの人に見てもらいたい」「何かできないか」という思いから地元デザイナーの個展を開いているが、すぐに作品を展示してもらえる例は限られている。その中で思い付いたアイデアが施設内のガイドツアーだったという。

 施設の開放は展覧会やイベント開催時が多く、その時に来館者へ建物の説明は行っているが、時間が限られているため「もっと聞きたい」と言う人も多い。そこで、参加者を岩手県在住者に限定し、少人数でのガイドツアーを企画。6月7日に初開催した。

 ガイド役を務めるのは、「旧石井県令邸活用運営委員会」の千葉幸子さん。ガイドは地下から屋根裏部屋までの4階層を20分間で案内する内容で、ツアー中は写真撮影も可能。展示会のない期間、建物だけの開放は珍しく、特に地下室や屋根裏部屋に入れる機会は少ないという。ツアーは1グループ5人をメインとし、午前と午後の計5回実施。事前予約の参加者を中心に、当日飛び込みでの参加も受け入れた。

 「盛岡に住んでいても石井県令邸のことを知らない人は結構いて、『謎の洋館』と呼ばれることもある」と千葉さん。「20分では足りないくらい、あっという間の時間だった。訪れたことがある人でも知らない場所や新たな発見があるようで、参加者の皆さんの反応の違いもユニークだった」と振り返る。

 ツアーにはデザイン会社「ヨハクデザイン」が協力。参加者はイラストを使ってオリジナルのバックやシールを作るワークショップも楽しみ、県令邸オリジナルのトートバッグとコーヒーのお土産も受け取った。ヨハクデザイン代表の武田明子さんは「私も何度も石井県令邸を訪れているが、改めて案内してもらうとまだまだ知らないことがたくさんあった。ワークショップも一緒に楽しんでもらえてうれしい」と話す。

 ガイドツアーの定期開催を望む声もあり、スケジュールが空いている間は継続していく予定。参加人数の制限やマスクの着用など感染症対策を行い、様子を見ながら参加者の条件を広げていくという。現在はフォトウエディングの撮影など個人や少人数での写真撮影も受け入れている。

 千葉さんは「午前と午後では雰囲気も違ってくるので、そこも楽しんでもらいたい。せっかく開放している時期なので、皆さんに見てもらえて本当に良かった。建物を覆う緑も濃くなり、差し込む光も美しく良い季節。すてきな写真も撮れると思うので、建物好きの人、歴史好きの人、『ここは何なんだろう?』と興味がある人、ぜひ一度訪れてみて」と呼び掛ける。

 20日・21日のツアーは11時~16時の間で予約可能。当日参加も受け入れるが予約優先となる。参加費は1,500円(お土産付き)。予約はフェイスブックやインスタグラムのメッセージとメールで受け付ける。ツアー行程は各SNSアカウントと公式ブログに掲載する。

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