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盛岡・南昌荘の「ひなまつり」今年で20回目 初お目見えの享保びなも

今回初お目見えとなる享保びな。面長で静かな表情が特徴的

今回初お目見えとなる享保びな。面長で静かな表情が特徴的

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 「南昌荘のひなまつり」が現在、国の登録記念物で、盛岡市指定の保護庭園・景観重要建造物の「南昌荘」(盛岡市清水町)で開催されている。

「安政2年」と書かれたびょうぶの前に並ぶおひなさま

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 「南昌荘のひな祭り」は、春の訪れを告げるイベントとして2001(平成13)年にスタート。20回目を迎える今年は、県内外の旧家・収集家などから借り受けた30組以上のひな人形を展示する。飾られたひな人形は江戸時代のものから現代のものまで、歴史ある人形やユニークな素材を使った変わりびな、押し絵、木目込み人形、つるしびななど幅広い種類が並ぶ。

 今回は盛岡の旧家に伝わる「享保(きょうほう)びな」と「古今びな」が初お目見え。「享保びな」は江戸時代中期、享保の頃に流行したもので、明治時代まで作られてきた。今回お目見えした「享保びな」は江戸時代後期のもので、面長の顔に切れ長の目、能面のような静かな表情、錦が入った衣装が魅力。「古今びな」は江戸時代の後期に生まれたひな人形で、今回飾られているひな人形のびょうぶには、「安政2年」(1855年)と書かれ、長い歴史の中で受け継がれてきたことが分かる。

 今年初の試みとして、折り紙でおひなさまとお内裏さまを作る無料体験コーナーや、着物を羽織ってひな人形の前で記念撮影ができる「写真映えスポット」を用意。折り紙は以前から来館者にプレゼントしていたが、「折り方を知りたい」という声も多かったという。そこで、折り方の説明と折り紙を用意したコーナーを設置し、自分で折ったものを持ち帰ってもらう形にした。

 「写真映え」スポットは、7段飾りの周りをつるしびなで囲んだ華やかな一角がお薦めという。子ども用と大人用の着物のほか、扇や髪飾りなども用意している。折り紙と撮影コーナーは、海外からの来館者にも好評を得ている。

 期間中は関連イベントとして和楽器の演奏会などが開かれるほか、お休み処(どころ)ではコーヒーと抹茶(各420円・お菓子付き)、おしるこ(500円)、甘酒(300円)なども提供している。

 施設を所有する「いわて生協」の南昌荘担当・牧野典子さんは「戦争や災害を乗り越え、明治から令和までそれぞれの時代を見つめて来たおひなさまたち。どの人形にもそれぞれ物語があり、魅力がある。ゆっくりと眺めながらお気に入りのおひなさまと出会ってほしい。華やかなおひなさまたちと一緒に、ゆったりとした春の時間を過ごして」と呼び掛ける。

 開場時間は10時~16時。月曜・火曜休館(祝日は開館)。入園料は大人=300円、小中学生=150円。3月3日まで。

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