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盛岡の裂き織りに新ブランド 昔ながらのサステナビリティー広めて

新ブランド「SACCORA」のロゴマーク

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 伝統工芸「裂き織」商品を製造する「幸呼来(さっこら)Japan」(盛岡市安倍館)が2月、新ブランド「SACCORA(さっこら)」を立ち上げた。

 「裂き織り」は東北地方に伝わる伝統的な技術で、古くなった布や浴衣などを細く裂き、織物の横糸として織り込むことで新しい生地へと生まれ変わらせる。「幸呼来Japan」では、「盛岡さんさ踊り」で着用した浴衣や、アパレルメーカーなどで使われなくなった余り布などを使い裂き織り商品を製造。有名ブランドとのコラボレーションなどでも注目を集める。製造工程のほとんどを人の手で行い、障がい者を職人として多く雇用している。

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 今回の新ブランド立ち上げは、これまで展開してきたブランドに新たなラインを加えてのリニューアルに近いという。同社では、さんさ踊りの浴衣を使う「さんさ裂き織り工房」、アパレルメーカーで使わなくなった布を使い、デザイン性の高いプロダクトを提案する「Panoreche(パノレーチェ)」、同じくアパレルメーカーなどから預かった余り布を新たな生地へ再利用するコラボプロジェクト「さっこらproject」の3つを展開していたが、それぞれのコンセプトが似ている点も多く、ブランドを整理しようという声も多かった。

 新ブランド「SACCORA」は、「スタンダード」「デニム」「リバース」「シグネチャー」の4つのラインとプロジェクトに分けてプロダクトを開発していく。「スタンダード」は、さんさ踊りの浴衣やさまざまな余り布を裂き織りにしたオリジナル生地の商品。「デニム」は、デニム生地を生産する時に品質を保つために発生し、生地の完成と共に切り離され廃棄されてしまう「デニムの耳」を使い、現代的な裂き織りを提案する。

 「リバース」は、世の中で廃棄される資材を使い、新たな商品価値を生み出すことを目的にしたLライン。リユースする際のエネルギーを使わないのも特徴の一つとなっている。今回は米の流通で使われる米袋を使った裂き織り商品を製作。布とは違った質感や風合いも楽しめる。

 「シグネチャー」は高級な着物生地を使ったプレミアムライン。ほかのラインでは一定の決まりや規則性があるデザインにしているが、「シグネチャー」では障がいを持つ職人の個性やアート性を尊重し、裂き織りの芸術性をより強調したデザインで、限りなく一点物に近い。これら4つのラインに加え、メーカー余り布を預かり裂き織りを作るコラボレーションプロジェクト「SACCORA Project」も引き続き行っていく。

 新ブランドの立ち上げは、2月5日から東京都内で開催される「東京インターナショナル・ギフト・ショー」で発表。販売は今秋からを予定している。同社の石頭悦社長は「裂き織りは日本に昔からあるサステナビリティー。それを現代の形として新たに表現した。まずは裂き織りのことをより多くの人に知ってもらうとともに、手に取って親しんでもらえたら」と呼び掛ける。

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