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盛岡の裂き織がアシックスとコラボ 伝統工芸を靴に、オニツカタイガー新商品

裂き織が使われた「オニツカタイガー」のコラボシューズ

裂き織が使われた「オニツカタイガー」のコラボシューズ

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 伝統工芸「裂き織」を製造する「幸呼来(さっこら)Japan」(盛岡市安倍館町)のブランド「さんさ裂き織工房」と大手スポーツ用品メーカー「アシックスジャパン」(兵庫県神戸市)のブランド「オニツカタイガー」がコラボレーションしたシューズが6月3日、販売を開始した。

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 裂き織は東北地方に江戸時代から伝わる技術で、古くなった布や浴衣などを細く裂いて横糸として使い、織り機を使って織り込んでいく。ほとんどの工程が人の手で行われ、工房では現在21人が各工程に分かれて裂き織と完成した生地を使った小物作りに取り組んでいる。

 コラボレーションは「幸呼来Japan」が提唱する「さっこらproject」の一環として企画されたもの。同プロジェクトでは、アパレルメーカーなどで生産された際に余った布を、東北の織り子たちの技術で裂き織にし、新たな魅力を持った記事として再利用している。2015年秋に、ニューヨーク在住のアシックスのデザイナーから「裂き織に興味があり、シューズに使いたい」というメールが送られてきたことが、コラボレーションのきっかけとなった。

 幸呼来Japan社長の石頭悦さんは「最初は誰かのいたずらかと思い本当に驚いた。裂き織は人々の生活に密着してきたものだからこそ、どうしても広まりづらく認知度が低いのが難点。コラボレーションすることで多くの人に知ってもらい、裂き織の新しい側面が見えるのがとてもうれしい」と話す。

 今回販売されるのは3種類。デザイナーが実際に工房を訪れて選んだ生地を使った2種類と、工房側がデザインした生地を使った1種類となる。白を基調としたスニーカーの全体やサイドに、赤や青、ピンクを使った色鮮やかな裂き織を縫い合わせ、ポップでかわいいデザインに仕上がった。

 裂き織は同じように織っても、色合いや模様に微妙な違いが出るため、2度と同じものが作れないのが特徴。一足一足が「世界に一つしかない靴」になるという。販売が始まると、オンラインストアでは即日完売状態となり、国内の直営店での売れ行きも好調だという。

 工房では障がい者の雇用にも力を入れ、多くの障がい者が裂き織職人として携わっている。石頭さんは「裂き織の技術とともに、障がいを持つ方が健常者と変わらないということ、働ける場所や方法があることも伝えたい。この靴を通して、海外でも裂き織が日本語の表現のまま有名になればうれしい」と意気込む。

 価格は種類別に1足1万5,120円と1万6,200円。国内では表参道、渋谷、心斎橋、名古屋、神戸の「オニツカタイガー」直営店で販売する。問い合わせはアシックスジャパン(TEL 0120-068-806)まで。

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