岩手県交通とJR東日本は1月16日、岩手県交通の路線バスに「地域連携ICカード」を利用したIC乗車券サービスを提供することについて合意した。
IC乗車券サービス導入の背景には、現在路線バス内で使用できる「バスカード」の読み取り機器の老朽化があり、以前からIC乗車券について検討が行われていた。2019年5月15日には、機器の老朽化を理由に、盛岡都心循環バス「でんでんむし」でのバスカードの取り扱いが終了した。
同年6月からは、「でんでんむし」で交通系ICカードの導入に向けた実証実験がスタート。JR東日本が沿岸地域で運行している「バス高速輸送システム(BRT)」で使われているICカード「odeca(オデカ)」のほか、「Suica」を含む10種類の交通系ICカードが利用可能となっている。
今回、導入する「地域連携ICカード」はJR東日本が提供するシステムで、バスの定期券やポイントサービスなど地域独自のサービスと、「Suica」エリアで利用可能な鉄道乗車券や電子マネーなどのサービスが一体となっているのが特徴。全国に加え、地域ごとの独自サービスが利用できるのが導入の決め手になった。
提供開始時期は2021年春を目指し、準備を進める。市内の路線や県外利用者が多い路線などに導入する予定で、詳細は決定次第発表する。地域連携ICカードや「Suica」のほか、「Suica」と相互利用ができる交通系ICカードも引き続き利用できる。
担当者は「現在も行われている『でんでんむし』の実証実験では、時期によって増減はあるものの、一定の利用者数があることも確認できている。IC乗車券を使って、より便利にバスを利用してもらえれば」と呼び掛ける。