「矢巾地域創生センター HABATAG(ハバターク)」(矢巾町)と、「JR矢幅駅東口スペシャルスペース」で1月18日・19日の2日間、駅周辺のにぎわいをつくるイベント「やはばHot Station」が開催される。
イベントを企画したのは矢巾町の地域おこし協力隊として活動する藤岡裕子さん。企画した理由の一つは「矢幅駅前には何もない」という声だった。協力隊メンバーが拠点とする駅前の施設「ハバターク」には町外からの駅利用者も多く訪れる。その用件のほとんどは「バスやタクシーの運行に関する質問」と「時間をつぶす場所の相談」だという。
藤岡さんは「岩手医大が矢巾町に移転してから駅の利用者も増えたように感じる。電車やバスの時間までちょっと休める場所というのも駅周辺には少ない。待合室でただただ待つ人もいる。その状況はもったいなく、『駅をどうにかしないと』と思う気持ちはあった」と話す。
もう一つのきっかけには、「IGRいわて銀河鉄道」との交流がある。藤岡さんは昨年2月、町の名物「やはばおでん」と特産品をPRするイベントを企画し、IGRいわて銀河鉄道青山駅内のレストラン「びすとろ銀河」で開催。今年もコラボレーション事業を行いたいという相談をしていたところ、「ハバターク」内のオープンキッチンを利用したイベントの提案を受けた。「びすとろ銀河」やIGRのイベントには一定のファンが付いていることから、IGR路線利用者を含め幅広い層へ町をPRし、足を運ぶきっかけづくりにつなげようと、まずは「出張びすとろ銀河」の決定を決めた。
「出張びすとろ銀河」の開催に合わせ、電車利用者がターゲットになることから、「駅に何もない」と思われることへの不安も強まったという。そこで「ハバターク」と、同施設の向かい側にある空きスペースを活用し、駅前ににぎわいを生み出すようなイベントを計画。藤岡さんと同じように「駅を何とかしたい」と思うメンバーが集まり、本格的に準備がスタートした。
イベントを行う2日間の内、「ハバターク」では初日の18日に「出張びすとろ銀河」を開催。矢巾町産の野菜を使ったスペシャルランチプレート(1,000円)を提供する。営業は11時30分からと13時30分からの2回で、各回定員が20人。事前の申し込みが必要となる。19日はワークショップ広場となり、羊毛フェルトを使ったコースター作りや町産リンゴを使ったクレープ作りを行う。
「ハバターク」向かいの空きスペースは「スペシャルスペース」となり、期間中はスペシャルショップが開かれる。町産の野菜やお菓子、パンなどを販売するほか、コーヒーや甘酒(各150円)、プチおでん(200円)を提供する。18日限定で「びすとろ銀河」のシェフによる、町産野菜を使ったスープの振る舞いも予定している。
「『駅を何とかしよう』という思いを持つ人が集まったからこそスタートしたイベント。これを共通の課題として認識してもらいたい」と藤岡さん。「駅に降りた時の何もない感を払しょくして、にぎやかになってほしい。矢巾のパワーをぜひ感じに来て」と呼び掛ける。
「出張びすとろ銀河」の申し込みは電話(019-601-2871)・ファクス(019-601-2872)・メールで受け付ける。定員になり次第締め切り。ワークショップは申し込み不要。「クレープ作り」のみ当日10時から整理券を配布する。スペシャルショップの営業時間は18日が10時~18時、19日は10時~16時。