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盛岡ロケの映画「影裏」公開へ 大友監督「地元の支援に感謝」

映画「影裏」ポスターと大友監督

映画「影裏」ポスターと大友監督

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 盛岡で撮影を行った映画「影裏」が2月14日、公開される。

 盛岡在住の作家、沼田真佑さんの芥川賞を受賞した同名作品を映画化し、転勤で訪れた主人公と同僚との関係性とその後の別れ、周囲の人々との交流を描くヒューマンドラマ。盛岡でロケを行い、盛岡出身の大友啓史監督がメガホンを取った。

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 1月9日、大友監督が盛岡市内でインタビューに答えた。

 渓流釣りのシーンなど、自然の映像がふんだんに使われている作品。映像の美しさについて、「『影裏』というタイトルに引かれた。人物の表の心と裏で考えていることの使い分けで物語が進んでいくのでタイトルそのものが作品。映像は光と影にこだわった」と映画の見所の一つに挙げる。

 テレビ岩手の50周年作品であり、多数の地元企業が協賛社として参加するなどこれまでと違う経緯で製作されていることに関して「地元の人が地元の素材をプロフェッショナルに依頼しておいしい映画を作ろうという『クラフトムービー』だと思っている。岩手を世界に広める機会にしたい」と他作品にはない特徴を語る。「盛岡で撮影しているとどこに行っても同級生に合う。いろいろな部分で協力してくれて、岩手の皆さんと一緒に作ったと感じている」と感謝の気持ちを繰り返し口にする。「俳優陣も地元のサポートに感動していた。食もお酒も作品の血肉になっている。本が売れる文化的な岩手だから撮れた文学的な映画と言える」と盛岡ロケの成果に笑顔を見せる。

 映像化が難しいと言われていた小説の映画化に関しては「最初から映像化自体が難しいとは思っていなかった。このような作品を映画化するという判断をすることが一番難しい」と製作に踏み切った背景に触れ、「小さい頃や高校時代に盛岡の映画館で感じたのはタバコの香りとジャズが聞こえてくるような大人の雰囲気。大人への入り口を見せるような映画に引かれたのが映画の原体験。今の日本の映画界でこうした作品は作りにくい」と現在の邦画業界にも言及する。「こうした映画は求められていると思う」とも。

 東日本大震災のエピソードが盛り込まれていることについては、「今年は東京オリンピックパラリンピックで盛り上がる年。その前に3.11を心に留めておく必要があると考えた。東北に住む人々の思いが透けて見える映画になれば」と期待を込める。

 「見た皆さんのさまざまな感想があってこの作品は完成する。映画を見てもらい、一緒に完成させていければ」と呼び掛ける。

 2月14日から全国ロードショー。盛岡ではフォーラム盛岡、盛岡ルミエールで上映される。

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