工芸展「赤レンガ伝統工芸館 vol.4 ホームスパン」が11月2日・3日、「岩手銀行赤レンガ館」(盛岡市中ノ橋通1)で開催される。
「岩手銀行赤レンガ館」を管理する「岩手銀行」が、県内に継承される伝統工芸品を広く知ってもらおうと企画した同展。観光施設として県内外から多くの人が訪れる同施設を活用し、岩手という地域や産業の価値をPRする拠点にするとともに、県内で伝統工芸に関わる人を応援する。
展示は年4回の予定で6月にスタートし、1回目は「漆」、7月の2回目は「かご」、10月に行われた3回目は「南部鉄器」、最後となる4回目は「ホームスパン」をテーマに行われる。工芸展の企画の背景には2017(平成29)年に開催されたホームスパン工房・作家による合同展示会「Meets the Homespun」の成功もあるという。今回の展示は「Meets the Homespun」の2回目という位置付けでもある。
同展のコーディネートを担当してきた「まちの編集室」の木村敦子さんは「これまで開催している中で、県外や海外からの来場者が多かったのも印象的。県内の人からも、1つのものについて複数の作家や工房が集まるので、見比べながら購入できるという感想が聞こえている」と話す。「伝統工芸についてよく知らないという声はあるが、興味を持つ人は県内外に確実にいるということが分かったのも収穫」とも。
今回の展示では県内17のホームスパン工房・作家が参加。ベテランから若手まで幅広い作り手が一堂に集まる。このほか、県産羊毛「i-wool(アイウール)」を使った製品の展示販売や、毛糸やつむぎ道具など羊に関わるものが並ぶ「ひつじまわり展」、ワークショップ、高村光太郎の妻・智恵子が大切にしていたエセル・メレエ製のホームスパンの毛布の特別展示なども行われる。
初日には「プラザおでって」で特別講演も開く。展示にも参加している「蟻川工房」の蟻川喜久子さんによるホームスパンと実用についての内容のほか、岩手県立大学盛岡短期大学部教授の菊池直子さんが特別展示のエセル・メレエのホームスパン、高村光太郎愛用のホームスパンについての調査結果を報告する。
木村さんは「完成された製品だけではなく、毛糸や道具、小物などの販売もあるので、自分で作りたいという人の素材探しにもぴったりだと思う。ホームスパンの工房や作家が一度に集まる機会はなかなかない。見て、触れて、自分好みのアイテムや誰かに贈るプレゼントを見つけてほしい」と呼び掛ける。
開催時間は10時~16時。入場無料。