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雫石・「旧大村小学校」で収穫市 閉校した学校の利活用を

5月に行われた「山菜まつり」の様子。多くの人でにぎわった

5月に行われた「山菜まつり」の様子。多くの人でにぎわった

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 「旧大村小学校」(雫石町)で7月13日・14日、「旧大村小学校へ行こう!収穫市」が開催される。

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 「大村小学校」は2017(平成29)年3月に閉校。その後も校舎や校庭がスポーツ少年団や選挙会場、避難所として使われていたため、無くすことが難しい状況にあった。一方で、利活用する企業もなく、そのまま放置しておいては荒れてしまうという懸念もあったという。そこで、町役場から大村地区の住民による利活用ができないかと提案。「地域の人間がなんとかできれば」という思いで、同年12月に住民らによる「旧大村小学校利活用実行委員会」が立ち上がった。

 雫石町内では10校あった小学校のうち5校が閉校。大村小学校は、住民が主体となって利活用する1つ目の事例にもなっている。実行委員会会長の伊藤登志成さんは「子どもがいる学校は、大人も高齢者も地域の人がみんな集まる憩いの場だった。学校がなくなれば、そういう場もなくなる。荒らさず、無くさず、うまく活用していきたい」と話す。

 副会長の村田徹さんは「畑があって、自然がある。このままの大村の姿を守りたい」と話し、「現状を維持していくのは一番難しいこと。それを続けていくためにもいろいろな取り組みを考えていく」とも。

 利活用の方法についてはさまざまな案があったが、すぐに取り組める事業として地区で採れる山菜やきのこを使った産直のアイデアを採用。定期的に産直市を開催するほか、学校の給食室を利用して、地域住民による手作り料理を提供するも運営している。産直は昨年5月からスタートし、春・夏・秋の季節ごとに1回ずつ実施した。今年からは毎月2週目の土日に固定し、5月から月1回のペースで開催を続けている。

 販売するのは山菜やきのこのほか、野菜や花苗、山菜の加工品、まき、手芸品、工芸品などを予定。食堂では手作りのランチメニューを提供する。5月5日と6日に開いた「山菜まつり」では、山菜を中心とした商品が並び、600人を超す来場があった。そのため急きょ、予備日に設定していた次週も「山菜まつり」を開催。来場者アンケートからも満足が高く好評な様子が見て取れるという。

 産直市は11月まで毎月実施予定。今後は販売する野菜の栽培や子どもと高齢者の交流の場づくり、校舎に地区の自治組合をまとめた事務所を置くなどのアイデアもあり、持続可能な取り組みを目指して検討を重ねていくという。

 伊藤さんは「時期を問わずにいつでも商品が並ぶことであったり、ここに来れば食べられる料理であったり、継続して開催できる体制を整えていきたい」と話し、「大村の恵みを用意して待っている。自然を楽しみに、おいしい空気を吸いに、まずは来てけろじゃ」と呼び掛ける。

 開催時間は9時~15時(ランチは11時から)。

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