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盛岡で「ソメモノの学校」開催へ 染色を身近に親しんで

「気軽に参加してもらいたい」と講師を務める佐々木さん。大きな容器に入っているのは染め液

「気軽に参加してもらいたい」と講師を務める佐々木さん。大きな容器に入っているのは染め液

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 「もりおか町家物語館」(鉈屋町)で5月25日、正藍染(しょうあいぞめ)について体験する「ソメモノの学校」が開催される。

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 同施設では、テーマを決めて講師を招き体験学習や座学などを行う「○○の学校」というイベントを継続して開き、今回もその1つとして企画した。きっかけの1つは、今回の講師を務める染色家・佐々木龍大さんが施設から程近い大慈寺町に工房を開いたことだったという。

 担当者の八木絵里さんは「施設の近くに工房を構えたというのは以前から知っていて、いつか一緒に何かイベントができればと考えていた」と話し、「佐々木さんもワークショップなどで染め物について広める活動をしていたので、その一助になればうれしい」とも。

 今回学ぶ正藍染は、タデ科の植物・藍草(あいぐさ)の葉を原料とした「すくも」というものを使う。藍染めの色となる藍分(らんぶん)は水に溶けない性質だが、「すくも」に栄養分や水分を与えながら発酵させると微生物が活性化し、水に溶け出すという。こうしてできた染め液に布などを浸し、空気にさらすことで発色させる。

 原料自体は植物だが、微生物の状態によって染まり具合や色合いは変化していく。工房を開いて3年目になる佐々木さんも「まだまだ修業中」という。「毎日染め液の様子を観察しながら、どうすればいいのか考える。調子が悪ければ休ませるし、おなかが減ってそうであれば栄養を与える。小さな子どもの世話をしている感じ。生き物相手に感じ合う部分は、人間の生き方にも通じている」とも。

 当日は「もりおか町家物語館」の浜藤ホールで染色についての座学を受けた後、佐々木さんの工房へ移動し正藍染の体験を行う。座学では昔から日本人とつながりが深い染め物文化についてや、藍染めの持つ効果についても話す。

 佐々木さんは「藍染めには紫外線を防ぐ効果や遠赤外線効果、抗菌作用もあるとされる。こうしたところから、なぜ藍染めが親しまれてきたのかも知ってもらいたい」と話し、「藍染めはもちろんだが、染色の技術や手作り品を身近に感じてもらいたい。今まで知らなかった世界に触れて、これからの暮らしを見つめる機会にもしてもらえたらうれしい」と呼び掛ける。

 受講料は2,000円。対象は高校生以上。定員は20人。昼食とゴム長靴を持参の上、汚れても良い服装での参加を呼び掛ける。申し込みは「もりおか町家物語館」の窓口もしくは電話(TEL 019-654-2911)で受け付ける。

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