色とりどりの装束をまとった100頭近くの農耕馬が盛岡市内などを行進する「チャグチャグ馬コ(うまっこ)」を東京から応援する団体「東京チャグチャグ馬コ」が現在、「チャグチャグ馬コ共同馬主プロジェクト」に挑戦している。
「東京チャグチャグ馬コ」は、伝統民俗文化やチャグチャグ馬コに参加する農耕馬の保護などを目的に、岩手から遠く離れた東京からチャグチャグ馬コを応援しようと活動に取り組んでいる。2016年1月に活動をスタートし、現地でのワークショップなど通じてチャグチャグ馬コの魅力発信や支援を行っている。
代表を務める斎藤正信さんは盛岡出身。活動を始めた2016年1月に、滝沢市にある南部曲り家・藤倉邸を訪れ、今も馬と人が一緒に暮らす様子やチャグチャグ馬コについて知り、感銘を受けたという。その際に、チャグチャグ馬コに参加するためだけに馬を飼い、ほかの活用法がないことや飼育舎の高齢化、飼育費用の負担が大きいといった悩みも耳にしていた。
斎藤さんは「地元のお祭りだからチャグチャグ馬コについてよく知っているつもりだった。滝沢に行き、馬を育てて参加している飼育者と交流したことで、自分が何も知らなかったことが分かり衝撃を受けた」と話し、「さまざまな課題があると知り、まずは餌代だけでも支援する仕組みをつくれないかと思いついたのが『共同馬主プロジェクト』という形」とも。
プロジェクトは飼育舎の声だけではなく、ワークショップ参加者からの「馬ともっと触れ合う機会が欲しい」という声を元に生まれたアイデア。クラウドファンディングを活用してチャグチャグ馬コに参加する農耕馬と馬を育てる飼育舎や牧場主に餌代・管理費を寄付して支援する仕組みをつくる。支援者には「チャグチャグ馬コ共同馬主カード」を発行し、支援した馬の世話や触れ合いなどができるようにしていくという。
プロジェクト第1号として今回は滝沢市の「馬っこパーク・いわて」で飼育している農耕馬「伯鈴(はくりん)」を支援。1口3,000円から支援でき、5,000円以上から「共同馬主カード」が受け取れる。今後は支援する馬も増やしていく予定。
斎藤さんは「チャグチャグ馬コへ参加する馬はだんだん減っている状況。岩手・盛岡を代表する祭りでもあるので、市民が知ることで支える力になると思う。祭りの伝統は残しつつ、ちょっと困っていることを助けてサポートする形を作っていきたい」と意気込む。
クラウドファンディングは5月15日まで。