盛岡で撮影中の「連続ドラマW そして、生きる」の合同取材が4月5日、盛岡市内で行われた。
東日本大震災直後の東北と東京を舞台に、過酷な運命を生きた2人の男女と周囲の人々の人生を描く純愛ラブストーリー。有村架純さんは盛岡で地元アイドルとして活躍し、女優を志す19歳の瞳子を演じる。坂口健太郎さんが演じるのは学生ボランティア団体のメンバーで東京の大学生、清隆。脚本はドラマ「ひよっこ」、映画「君の膵臓(すいぞう)をたべたい」などの岡田惠和さん。
4月3日から「紅茶の店しゅん」や駅周辺など盛岡市内での撮影がスタート。地元の人々と触れ合った。有村さんは「現地の方々と触れ合うと力強く、寛大で器の大きさを感じる。撮影中、温かいご飯を用意してくださるなど気遣いが素晴らしい」。坂口さんは「母方など家系的に東北生まれが多く、一歩引いて見てくれているけど心を尽くしてくれる人柄の印象が元々ある。ささいなことに『染みてくる』接し方があり助かっている」と盛岡の人々の印象を話す。
有村さんは「東日本大震災の情報がテレビから流れなく風化が起きていることが怖い。この作品を見て東北の人々に思いを寄せてほしい」と呼び掛ける。坂口さんも「エキストラや地元の方々と言葉を交わして分かることがたくさんある。(気仙沼など)被災地の皆さんと一緒に仕事していることで、改めて(震災のことを)心に留めておくことが大切だということを伝えていきたい」と話す。
同作のプロデューサー岡野真紀子さんは「(脚本家の)岡田さんがいつか書いてみたいと思っていたテーマ。東京、盛岡、被災地との距離が邪魔になることもあればプラスになることもある。人間ドラマを作る上で絶妙な距離感でシナリオが構築されていると思う。若者の物語だが見る人皆さんの人生の選択、出会いや別れを振り返りながら一緒に歩める作品」と解説。「盛岡の皆さんの声援がうれしい。ご飯もおいしく明るい気持ちで撮影をしている」と感謝の意を表す。
見どころについて有村さんは「震災があってから若者たちがどう生きていくかという重いテーマではあるが、人間らしく美しく描いている。美しい東北の風景、(登場人物)それぞれがどういう大人になるのか見てほしい」と話す。坂口さんは「現地の空気に触れて撮影できることはありがたい。一瞬一瞬を丁寧に撮っている。いろいろな人々に響く作品にしたい。楽しみにして」と呼び掛ける。
今夏WOWOWで放送を予定している。