リノベーション複合施設「十三日(トミカ)」(盛岡市肴町)内で、レンタル撮影スタジオ「nido(ニード)」の改装作業が進んでいる。
「十三日」は昭和初期に建てられた木造の建物をリノベーションした商業施設で、飲食店が入居するほか、レンタルギャラリー、シェアオフィスなどを備える。レンタル撮影スタジオとして改装が進むのは1階奥にある、元は倉庫として使われていた部分。以前からどのように活用するか検討し、イベントスペースや一時的な撮影スペースとしても利用してきた。施設の見学者の中にはカメラマンも多かったという。
施設内のシェアオフィスに事務所を構え、施設の管理人の役割も担う伊藤隆宗さんもカメラマン。「盛岡市内にはレンタルスタジオがほとんどなく、自分のスタジオを持たないカメラマンは場所を借りて撮影することが多い。あればいいのにという声もあったのでニーズがあるのではないかと考えていた」と話す。
その後、倉庫の見学に訪れていたカメラマンらの中からスタジオオーナーを募ったところ、市内などで活動する伊藤治郎さんが名乗りを上げた。スタジオのリノベーションは、治郎さん自身が手掛け、オープンに向けて準備が進んでいる。オープン後はプロ・アマチュア問わず利用できるレンタルスタジオとなり、カメラマンや写真好きの人だけではなく、地域に住む人に広く開かれたスタジオを目指す。
2月16日には隆宗さんが代表を務める「イトウタカムネ写真事務所」と共同で、未完成見学会とお試し撮影会「はじまりの撮影会」を実施。レンタルスタジオができることを周知するとともに、興味を持ってもらおうという思いで企画した。当日の撮影会は隆宗さんが担当し、治郎さんはスタジオの説明など行う予定。スタジオとしての利用を考える人や撮影してもらいたいという人に加え、空き家活用やリノベーションに興味がある人の参加も見込む。
隆宗さんは「スタジオができることで人の交流が増え、十三日の客層も広がると考える」と話し、「レンタル撮影スタジオというもの自体、盛岡ではまれ。カメラマンたちが作ったスタジオをたくさんの人に見て、利用してもらいたい」と呼び掛ける。
当日の見学は無料で予約不要。お試し撮影会は事前予約が必要。予約は専用サイトで受け付ける。料金は1組3,000円。17組限定。空きがあれば当日申し込みも可能。