見る・遊ぶ

盛岡にモノクロフィルム専門写真館 何気ない日常を形に残して

「写る人が持つ空気やその人らしさが残る写真を撮り続けたい」と齊藤さん夫婦

「写る人が持つ空気やその人らしさが残る写真を撮り続けたい」と齊藤さん夫婦

  •  

 モノクロフィルム専門の写真館「PONDHOUSE(ポンドハウス)」(盛岡市高松1)がオープンし、2カ月が経過した。

 写真館を営むのは齊藤宙(ひろし)さん、冴海(さえみ)さん夫婦。宙さんは東京の専門学校で講師を務め、今年6月に実家がある高松の池のそばに、アパートの一室を改装して写真館をオープンした。オープン当初はカラー写真も撮影していたが、10月ころからモノクロ専門に切り替えたという。

[広告]

 別の部屋には暗室もあり、撮影から現像まで手作業で行う。宙さんは「自分の手で作ることが好きなので、自分で現像ができるモノクロフィルムを選んだという理由もある」と話し、「カラー写真の良さは細やかなディテールも写し出すとことで、その時代の色もはっきり残る。モノクロ写真にはリアリティーがなく抽象化された雰囲気がある。だから時がたっても古びずに、いつでも見返せるところが良い」とも。

 冴海さんは「不安になって『モノクロですけど良いですか?』と聞くことも。自分たちが撮った写真を見て依頼してくれる人もいて、『こんな写真館待ってました!』という言葉をもらった時はとてもうれしかった」と話す。

 撮影はスタジオのほか、依頼者の自宅や思い出の場所へも出張。被写体に合わせた場づくりを心がけ、写る人が持つ空気やその人らしさが残る写真にこだわる。連写で撮ることができないため、ゆったりとした距離感で会話をしながら撮影する側も写る側もリラックして撮影に臨む。

 写真は形に残すことにこだわり、データのみの引き渡しは行わず、プリントのほか木製パネルや額装、台紙仕上げも選べ、オプションで写真データを作成する。冴海さんは「特別な日に撮る記念写真もすてきだけど、何気ない日常が残っていると、それが特別なものに変わっていくと思う。埋もれないように、いつでも見えるようにという思いを込めて立体にしている」と話す。

 撮影と合わせて、写真を撮るコツや技術を伝えたいという思いもある。宙さんは「撮影や現像に関するワークショップにも挑戦したい。盛岡にフィルムで面白いことをしている人がいると言ってもらえることになるのが一つの目標になっている」と意気込み、「私たちが撮るのは誰かに見せる写真というより、自分たちで見る写真。普段着や自宅での撮影を勧めたい。その方が記憶に残る」と呼び掛ける。

 撮影は完全予約制。予約はホームページとSNSのメッセージで受け付ける。