主演映画「終わった人」で「第42回モントリオール世界映画祭」で最優秀男優賞を受賞した舘ひろしさんを祝う横断幕が現在、「プラザおでって」(盛岡市中ノ橋通1)に掲示されている。
内館牧子さんによる小説の実写化映画。東京と盛岡を舞台に、仕事一筋で歩みながらも出世コースから外れ、定年退職を迎えた主人公・田代壮介が、居場所を失い途方に暮れながら生きがいを探しもがく姿と、そんな夫にあきれて距離を取り始めた妻や周囲の人々との関係を描く。監督は中田秀夫さんが務め、主人公の壮介を舘さんが演じた。
盛岡市内でも2017年の春と夏に撮影が行われ、「米内浄水場」や「高松の池」などの名所のほか、中津川河畔の「ビクトリアロード」、「桜山神社通り」といった中心市街地の風景が映画内に登場する。市内で撮影が行われた効果もあり、6月9日の公開から現在まで市内の映画館でも上映が続き、何度も足を運ぶリピーターも少なくないという。
「第42回モントリオール世界映画祭」は日本時間8月24日~9月4日に、カナダ・モントリオールで開かれた北米最大規模の国際映画祭。4日に舘さんが「最優秀男優賞」を受賞した知らせを受け、「ロケが行われた盛岡からもお祝いの声を届けよう」という思いで、9月12日に「プラザおでって」の建物の中津川沿いの壁面に受賞を祝う横断幕を設置した。
横断幕を設置した盛岡広域フィルムコミッションの多田研三さんは「発表を聞いて驚いたし、何よりもうれしかった。盛岡が舞台となり、撮影も行われた映画での受賞というのが本当に喜ばしい」と話す。「舘さんは二枚目で渋く、ダンディーな役柄のイメージが強いが、『終わった人』ではコミカルでユーモラスな雰囲気で、普通のお父さんを演じているのがとても魅力的に感じていた」とも。
施設内の1階と2階の2カ所にも受賞を祝うコメントと共に、フィルムコミッションで製作したロケ地マップを展示した。横断幕などの設置期間は未定で、できるだけ長期間の展示を考えているという。