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盛岡・「黒川さんさ踊り」が復活から50年 郷土芸能を後世につなぐ

姿勢を低くして踊るのが特徴の「黒川さんさ踊り」

姿勢を低くして踊るのが特徴の「黒川さんさ踊り」

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 盛岡市黒川地区に伝わる伝統さんさ踊り「黒川さんさ踊り」を伝承・保存する団体「黒川参差踊連中(くろかわさんさおどりれんちゅう)」が今年で活動再開から50周年を迎えた。

 伝統さんさ踊りとは、盛岡市とその周辺地域で受け継がれてきたさんさ踊りで、各地域によって振り付けや衣装が異なる。「黒川さんさ踊り」は平安後期の「前九年の役」を契機に発生したと考えられている。黒川集落内にある「高陣山」に陣を置いた関東武士の一団が、士気を高め勝利を記念するために踊り明かしていたのを見た住民が、戦いが終わった後、その踊りを真似して家内安全や五穀豊穣(ほうじょう)の祈りを込めて踊り継いできたと伝えられている。

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 「黒川さんさ踊り」は、太夫・唄かけ・太鼓打ち・笛吹き・一八(いっぱち)・踊り手・世話役から成る「踊り組」で構成。かつては数十年に一度、踊り組が結成され、限られた人にしか継承されなかったという。戦時中は一度踊りをやめていたが、戦後1968(昭和43)年に団体の活動を再開。それ以降は地域の踊りとして定着し、性別や年齢を問わず多くの人へ伝承している。団体には現在40人以上が所属し、毎月2回練習を行う。

 踊り手や太鼓打ちは大きなボタンの花が付いた笠とキキョウの花が描かれた浴衣、7色の腰帯などの衣装を身に着けて踊る。腰を低くした姿勢と、ひねり上がるような体の動きなど躍動感あふれる振り付けが特徴で、踊りの種類は全33種類あるといわれているが、現在は22種類ほどを練習している。

 50周年を記念し、9月22日には黒川地区の家々を巡り踊りを披露する「門付け」を開催。13時に手代森小学校を出発し、3時間ほどかけて地区内を回る。当日は新潟県佐渡市から郷土芸能「岩首鬼太鼓(いわくびおんでこ)」を招き、共に門付けして回る。23日には全国の「黒川さんさ踊り」愛好家と共に合同練習を行う予定。22日の門付けは一般見学もできる。

 会長の北田晴男さんは「衣装も踊りも50年前から何一つ変えず、自分たちが教わったまま守ってきた。時代の流れに合わせて派手になることも、華美になることもない。それが黒川さんさの魅力だと思う」と話し、「郷土に根差す芸能を体感しに、ぜひ黒川を訪れて」と呼び掛ける。

 22日の門付けは13時~16時30分。雨天時は手代森小学校体育館で行う。

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