盛岡のミニコミ誌「てくり」が製作する「てくりモリオカ散歩地図」の2018改訂版が完成した。
同地図は盛岡の中心市街地をメインに取り上げた観光用の地図。作り始めるきっかけとなったのは、盛岡のソウルフードとしても知られる「福田パン」の本店の場所を観光客へ説明する際に、「場所が分かりにくく説明できない」という声だったという。そこで、これまで「てくり」の誌面で取り上げた場所を盛り込み、観光に役立つ地図を作ろうと2009年に初版を製作。イベントなどに合わせて改訂を加え、今回で4回目となる。
地図は盛岡駅からバスセンター、盛岡八幡宮周辺までの徒歩で回れる地域を中心にピックアップ。加えて、中心部からは離れたお薦めの場所も数カ所掲載する。施設や店舗、街並みの様子などは手書き風の簡単な説明を添える。「手に取った人が自分だけの散歩地図を完成させる」をコンセプトに、持ち運びやすい大きさや書き込みしやすい紙質にこだわり、色数を抑えることで見やすさにも工夫。2018年版は春らしい若草色を選んだ。
今回の改定は2015年以来3年ぶりとなる。昨年から、歴史ある施設・建物の閉鎖や取り壊し、昔ながらの個人店の閉店などが相次ぎ、惜しくも地図の中から消える場所が増えたという。
「てくり」を作る「まちの編集室」の木村敦子さんは「たった3年と思っていたが、3年でこんなに街が変わるなんてと驚いた。寂しさはあるが、新しい場所を書き加える楽しみもあった」と話し、「盛岡もようやく暖かくなり、散歩が楽しくなる季節。春の散歩のお供に持ち歩いてもらえれば」と呼び掛ける。
地図は「てくり」ホームページで書籍などを注文した人へ同封するほか、紺屋町の雑貨店「shop+spaceひめくり」で配布を行う予定。