今年度の「地方の元気再生事業」(内閣府)で盛岡の民間企業「MORIOKA3rings 合同会社」(盛岡市菜園2、TEL 019-623-0721)が提案した「盛岡土産土法(どさんどほう)プロジェクト」が採択された。
今回、全国から採択された120件は、地方自治体やNPO法人が提案した事業提案がほとんどを占める中、民間企業として同社のプロジェクトが唯一採択された。
「地方の元気再生事業」は、今年4月に内閣府が衰退する地方の産業や観光を文字通り再生する事業案を全国から公募。地域産業、観光、農林漁業などをテーマに1,186件の応募があった。採択された事業には、来年3月末までの事業の委託金が交付される。
同社が提出した事業案は盛岡の中心市街地の空き店舗(遊休不動産)を活用しながら、社会実験を通して「子連れカフェ」を運営するもの。盛岡地域で穫れた農作物を地元の手法を生かしながら加工品を生産・販売するなどして、街中へのにぎわいを取り戻すと同時に、農業従事者の所得向上を狙った点が、「地域に新しい価値を見出す」として評価された。
同社業務執行社員の岡崎正信さんは「市外から転居してきた若い母親たちにヒアリングしたところ、『盛岡の街中は遊べるところがない』との意見があった」ことから、「我々が企業として取り組んできた『家守』(やもり)の手法を母親世代にとって身近な『カフェ』に生かせる」ことを発案。「郊外(の大型店)に目が移っている若い世代を中心市街地に呼び戻せると考えた」と話している。
岡崎さんはさらに、盛岡地域の産業構造を「サービス産業に偏りすぎている」とし、「農業を軸にしながら、空き店舗(遊休不動産)を活用してくことで『そこそこ食える産業』を生み育てていきたい」と事業の実施に向けて意気込みをみせている。
「家守」は江戸時代に不在地主に代わって不動産を有効活用する人(仕事)のこと。現代版の家守は、さらにエリアマネージメントの手法を生かしながら、新しい産業の創出や起業の支援など、さまざまな視点から空洞化に悩む中心市街地の活性化を担うとして注目されつつある。
同社ではこれから空き店舗物件を選定し、10月に「子連れカフェ」をオープンする予定。
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