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もりおか町家物語館で映画「蛾と笹舟」上映 映画と語りのコラボレーションで

「蛾と笹舟」撮影中の様子

「蛾と笹舟」撮影中の様子

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 「もりおか町家物語」(盛岡市鉈屋町)浜藤ホールで11月18日・19日、映画「蛾(が)と笹舟(ささぶね)」が上映される。

「盛岡芸妓」が登場するシーンも撮影された

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 同作品は盛岡出身の作家・森荘已池(もりそういち)の第18回直木賞受賞作品を原作としたもの。映像に舞台上での語りと生演奏がコラボレーションする作品で、県内の愛好家の高齢化などを理由に出展作品が激減している岩手県芸術祭映像部門を盛り上げるため、映像部門を運営する岩手県演劇協会と連携し、映像と演劇を組み合わせた映画を製作。製作スタッフの一般公募も行い、二戸や金ヶ崎など県内から集まった市民スタッフ18人と共に7月から9月にかけて、森荘已池が生まれ育った鉈屋町を拠点に撮影が行われた。

 今回は「もりおか町家物語館」が行う自主企画「森荘已池劇場」の4回目としても上映。これまでは森荘已池作品の小説を読む雰囲気そのままに舞台化する「物語る演劇」という独自の演出で上演してきたが、今回は映画に語りと演奏を加えた「物語る映画」として初の映画化となる。

 脚本と監督を担当する坂田裕一さんは「まさに『読むように見る』映画になっていると思う。鉈屋町の風景と役者の抑制のきいた演技に加え、作品をイメージさせる映像や詩を挿入して、じっくりと物語の中に入り込めるような演出にこだわった」と話す。

 映画は作品が書かれた1943(昭和18)年当時の様子を壊さぬよう、映像の色彩を落とすなど工夫を重ね、静かな映像と役者の演技で再現した。当日の語りはIBC岩手放送アナウンサーの江幡平三郎さんが担当。生演奏には鉢や竹を使った打楽器、グラスハープなどが使われ、一般的な楽器とは違った音色を演出する。

 坂田さんは「町家の風景や伝統行事を残したいという思いもあり撮影した作品。盛岡の良さ、盛岡らしさ感じてもらえればうれしい。とにかく生で見てもらわないと伝わらないので、美しい画と生の声が組み合わせられて生まれる新しい映画を会場で楽しんで」と呼び掛ける。

 上映時間は18日=14時~、18時~、19日=14時~。各回とも終演後にアフタートークを予定する。前売りチケットは一般=1,500円、学生・65歳以上=1,200円(当日券は各300円増し)。もりおか町家物語・プラザおでって・カワトク・Cyg art galleryで取り扱う。

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