盛岡で「漆DAYSいわて」初開催 漆の魅力と文化、県民向けに発信

漆の木から樹液を採取する「漆掻き」の様子

漆の木から樹液を採取する「漆掻き」の様子

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 岩手県公会堂(盛岡市内丸)で11月18日・19日の2日間、漆をテーマにしたシンポジウム「漆DAYSいわて」が開催される。

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 同シンポジウムは、岩手県が漆文化の魅力を発信するとともに、国産漆の状況について広く関心を持ってもらうことを目的に企画したもの。日本一の漆の生産地として知られる岩手では、県民からの認知度が低いため、漆が生産される過程や関連する工芸品などに焦点を当てたシンポジウムを通じ、利用促進と県内・全国への情報発信を目指す。漆単独をテーマにしたイベントは県として初めての試みとなる。

 県産業経済交流課の佐々木琢磨さんは「文化財の修理などに国産漆が使われるようになり、価値が高いものとして見直されている側面はあるが、敷居の高さや扱いの難しさを感じている人も多い。漆について知ってもらう機会は必要だと思う」と話す。

 シンポジウムは漆について「知る」「学ぶ」「触れる」「買う」を体感できる内容。漆の歴史や漆を採取するための道具などの展示、漆に関連したワークショップのほか、県内外の有名産地の漆器や漆製品を集めたセレクトショップ、漆の蜂蜜を使ったスイーツと漆器で飲み物を提供するブックカフェも開かれる。

 18日には人間国宝「蒔絵」保持者の室瀬和美さん、漆製品などを手掛ける浄法寺漆産業の松沢卓生さんによるプレゼンテーションと、浄法寺塗のスコップを使った「スコップ三味線岩手県大会チャンピオンエキシビション」、19日には県内外で漆に携わる人らによるトークと岩手出身のシンガー・ソングライター柳田久美子さんによるライブイベントも行われる。

 佐々木さんは「シンポジウムのキャッチコピーは『漆を知り、漆に恋する2日間』。見るだけ、学ぶだけではなく、触れて体感して漆の良さを知って好きになってもらえたらうれしい。まずは岩手の漆と漆製品に興味を持つきっかけに足を運んで」と呼び掛ける。

 開催時間は、18日が10時~17時、19日が10時~16時。入場無料。ワークショップへの参加には事前予約と参加費が必要。問い合わせは県産業経済交流課(TEL 019-629-5536)まで。

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