岩手県産米の最高品種「金色(こんじき)の風」の販売が10月8日、県内の量販店などでスタートした。
「金色の風」は、昨年デビューした「銀河のしずく」に続き、2年連続でのデビューとなった岩手県オリジナルの水稲品種。「日本一のお米」を目指し、岩手生物工学研究センターと県農業研究センターが2009年に品種開発をスタート。米に含まれるでんぷん「アミロース」に着目し、独自の解析技術を使い「ひとめぼれ」から、アミロースの含有率が低く、食味に優れた遺伝子を持つ系統を特定し、別の「ひとめぼれ」と交配させた。
同品種は粘りと軟らかさのバランスが取れた食感と、甘味の強さが特長。ふわりとした軽い口当たりだが、粘りが強くかみ応えがあり、かむほどに甘みが感じられ、冷めても硬くなりにくい。産地は県南部に限定し、本年度は100ヘクタールで栽培。夏場の天候不順や日照不足の影響も懸念されたが、おおむね順調に育成が進んだという。
県産米戦略室県産米戦略監の小原繁さんは「2年連続ということで、銀河のしずくと金色の風が似たようなお米だと思われがちだが、銀河のしずくはさっぱりした味わいで、金色の風は甘みがあり芳醇(ほうじゅん)な印象。それぞれ全く違う味わいを持っている」と話す。
16日には県外でのデビューも控える同品種。テレビCMには女優ののんさんが出演し、「金色の風」の使者となったのんさんが稲穂の中に立ち、髪の色が金色に変わる演出が話題を呼んだ。小原さんは「岩手が10年をかけて開発した県産米のフラッグシップとなる品種。新しいブランド米が次々に登場している中、少しでも注目されればうれしい。県内のお米はもちろんだが、県外のお米とも食べ比べてお気に入りのものを探してみて」と呼び掛ける。