生花店店長がポッドキャストで「ビールの話」-DL数は25,000超

「ビール会社の営業マンがやっていると思われている」と話す山田さん。右手に持つのはメーカーから無料提供された高性能レコーダー。写真は紫波町の店舗で撮影

「ビール会社の営業マンがやっていると思われている」と話す山田さん。右手に持つのはメーカーから無料提供された高性能レコーダー。写真は紫波町の店舗で撮影

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 音声ファイルで番組を公開する「ポッドキャスト」で、ビールについて語る番組「ビールの話」が全国のビール愛好家の間で話題を集めている。

 番組を制作・配信するのは盛岡市に隣接する紫波町の生花店「花の館・紫波佐比内店」の店長、山田清秀さん。ほぼ毎週1回のペースで配信する番組のダウンロード数は毎回25,000を超える人気ぶりだ。
 語学向けや人気タレントを起用したラジオ番組のスピンアウト番組が多い中、全くの「素人」が手がける番組としては異例の「高聴取率」を誇る。iTunes(アップル社)の番組ランキングでも常に上位で、カテゴリー別では「フード」で現在1位。今年の2月には「総合ランキング」で最高9位にまでなった。

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 家族で生花店を経営する山田さんがポッドキャストを始めたのは「冬の閑散期に人としゃべることが激減する」ため。「春になると寝る暇もないほど忙しいが、冬は店にいても一日中誰とも話しをすることがないくらい。接客も重要な仕事なので、これではいけないと思った」と山田さん。
 知り合いからポッドキャスト番組を自動配信できるボイスブログサービス「ケロログ」(ヴォイスバンク社)の存在を知り、盛岡市にある自宅のパソコンを前に番組配信を決めたのは2005年9月のこと。テーマは、自身も盛岡のビール会に参加するほど大好きな「ビール」。
 「好きで毎日飲んでいるものだから、素直に言葉にできると思った」(山田さん)というように、ビールの種類や味の解説はプロはだし。毎回、実際にビールを飲み比べながら番組を作るので「ほとんど酔っぱらいのたわ言」というが、軽妙で機転の利いたライブ感のあるしゃべり口調はプロの番組パーソナリティ並みと評判だ。
 番組ではビールの飲み比べを基本にしながら、実際に栽培したホップを食べて「ありえない苦さ」を体験したり、藤原紀香がやっている「日本酒風呂」を真似て「ビール風呂」を実況中継するなど、多彩な内容。「『第三のビール全種飲み比べ』をやった時は、終わったころには完全にベロベロ。けっこうきつかった」と笑う山田さん。すでに、配信した番組は110エピソードを超える。

 番組がここまで人気になったことについて山田さんは「後になって実感したことだが、ビールという実は(裾野の)広いテーマを扱っていたことが大きいと思う。ほぼ毎週地道に番組をアップしてきたし」と話す。「全体を前半・中盤・後半の3部構成にしたことで、番組にしまりが出たこともあるかも」とも。

 番組に対するリスナーからの反応もさまざま。同じビール愛好家から指摘を受けることもあれば、外国で日本語を学ぶ人から「日本語も学べるし、日本のビールのことも知ることができる」というメールも寄せられることも。中には首都圏から、わざわざ会いにくる人もいるという。「なんかとてつもなく広がって、すごいですよね。最近はちょっと怖いくらい」(同)。

 すでに番組で飲んだビールは国内外200種類。個人的に飲んだものも含めると500種類は超えるという。しかも、山田さんの場合は、通販を全く使わずに、ほとんどを「タストヴァン」(盛岡市城西町)など地元の酒店で入手するという。「盛岡は東北の地方都市なのに、世界のビールや日本の地ビールがこれだけ飲めるというのも番組を通して伝えたいこと」と話している。

ビールの話(ウェブサイト)紫波町の酒蔵がポッドキャストで情報配信-蔵元自らがトーク出演(盛岡経済新聞)岩手県立美術館、「ポッドキャスト」で作品解説-iPodの貸し出しも(盛岡経済新聞)ポッドキャストで環境メッセージ-高校生が円山動物園とコラボ制作(札幌経済新聞)放送中にリスナーへの応援ソング作り-KBS京都ポッドキャストで配信(烏丸経済新聞)

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