2016明治安田生命J3リーグの最終節が11月20日、いわぎんスタジアム(盛岡市永井)で行われ、15位のグルージャ盛岡は昨季J2で2位の栃木SCと2-2で引き分け、最終順位は13位となった。
今季最高となる入場者2888人を集めた同球場。優勝の可能性の残る栃木とあって、ゴール裏にはグルージャを大きく上回るサポーターが押し寄せた。
グルージャは立ち上がり、前線から圧力を掛ける栃木の攻勢に耐え、前半20分にゴール前の混戦からFW谷口堅三選手が先制のゴールを決める。その後も支配率で上回り、グルージャペースで試合を進めるも、相手GKの好セーブに阻まれ1-0で折り返す。
後半開始直後、ミスから失点。その後もコーナーキックから失点し1-2と逆転される。失点の8分後となる68分、コーナーキックからDF畑本時央選手がヘディングで決め、同点に。今季序盤から低迷していたグルージャは最終戦で精神面の成長を見せた。
神川明彦監督は「素晴らしい雰囲気の中でゲームができた」と両チームのサポーター、関係者に感謝を表し、最終戦については「積み重ねてきたもの、まだまだ改善されないものが相変わらず同居していたが、熱のこもったゲームになった」と振り返る。今シーズンについては「目標に掲げた数字にはどれにも及ばなかったが、65点は与えてもいい。関係者に感謝したい」と話し、「モダンな一番難しいフットボールに取り組んでいる。作り上げるには時間もかかるが、見て面白いサッカーを継続して作っていく」とも。
79分には今季で引退することを表明したMF松田賢太選手が出場。10年在籍し東北社会人リーグからJ3に引き上げた功労者「ミスターグルージャ」を大歓声が迎えた。2本のシュートを放つなど存在感を示し、19分間のプレーで現役生活に幕を下ろした。松田選手は「寂しい。やはり試合はいいなと思った。サポーターには感謝しかない。皆さんがいたから続けられた。ありがとうございましたと伝えたい」と締めくくった。