東家(盛岡市中ノ橋1、TEL 019-622-2252)が、ワーキングホリデーで来盛している台湾人をわんこそば給仕として受け入れた。同店でワーキングホリデーでの雇用は初めて。
今年4月に来日し、京都で日本語を学んだ陳瀅羽(チンエンユ)さん(26)。10月からワーキングホリデーを利用して盛岡を訪れ、わんこそばの給仕として東家本店で働く。
盛岡観光中に同店の前で道に迷っていた陳さんに話し掛け、ワーキングホリデーで来ていることを知った同社専務の高橋大さんが、わんこそば給仕の仕事を勧めた。10月10日から働き始めた陳さんはわんこそばを見るのも初めてだったが、先輩給仕の仕事を見ながら学び、1週間後にはわんこそば給仕としてデビューした。
ワーキングホリデーで日本を訪れる台湾人は年間2000人で、陳さんのように東北を訪れる人は珍しいという。陳さんは「震災後、何か力になりたいと思っていた。宮沢賢治も好きなので岩手を選んだ」と話す。給仕の仕事については「初めは緊張していたが、慣れてきたので今はお客さんと一緒に楽しんでいる」とも。お客さんの楽しませ方や接客も工夫しているという。
花巻台北間のチャーター便が運行されていることもあり、台湾人観光客が同店を訪れる機会も多く、中国語圏の観光客にも好評だ。高橋さんは「陳さんがいると中国系からの観光客も楽しんでわんこそばを体験していってくれる。ずっと働いてほしいが、岩手や盛岡のいいところを見て帰ってもらいたいと思う」と話す。
12月20日・21日に台北市で開催される東北6県主催「日本東北六県感謝祭」では、わんこそば大会が行われる。その中で陳さんが故郷の台湾でわんこそばを紹介しながら給仕を披露する。「盛岡は寒いところだけれど、にぎやかで温かい盛岡のわんこそばを台湾の人に伝えられれば」と笑顔で話す。
陳さんは、来年3月でワーキングホリデーを終えて帰国予定。