震災後に子どもたちが「手」をテーマに撮影した写真作品が現在、岩手県立美術館(盛岡市本宮)で展示されている。
「きぼうのて 子どもたちの目と手がとらえた3.11」と題された今回の企画展には、岩手、東京の小中学生が撮影した182点の写真作品が展示されている。2011年5月に東京の多摩市立豊ヶ丘小学校5年生の図工の授業で、「被災地を励ます作品をつくろう」と始まった「きぼうのてプロジェクト」。同校からの交流の申し出に岩手の大船渡市立第一中学校美術部の生徒が賛同。2校で「手」をテーマにした写真作品を文化祭等で展示する交流が行われた。
その後、展示を見た人の口コミや美術系教員が所属する研究会のつながりで、2013年には岩手4校、東京4校、海外1校の小中学校が参加。海外では日本スペイン交流400周年事業の一環としてマドリード市で開催されたほか、アメリカ、フランス、スペインで展示会が行われた。同館での展示会を担当する主任専門学芸調査員の坂本静さんは「震災直後の2011年に撮影された作品と2013年に撮影された作品を見比べると、表現やタイトルに変化が見受けられる。子どもたちによる美術を通した支援の形をぜひ見に来てほしい」と話す。
開館時間は9時30分~18時(入館は17時30分まで)。観覧無料。8月17日まで。