今年で70周年を迎える沖縄県立八重山高(沖縄県石垣市)に11月、盛岡四高(盛岡市津志田26)が南部鉄器のオブジェを寄贈する。
南部鉄器のオブジェは盛岡の壱鋳堂で制作されたもので、「盛岡らしさ」を表現している。同作品は盛岡の名所「石割桜」をモチーフとしており、土台となる鉄にひび割れ状の隙間を開け、そこから木が生えているかのように見せている。枝となる部分には70個の風鈴が付けられ、風が吹くと一斉に鈴の音色が響き渡る。
1996年の冷害の際に、盛岡市が石垣市から種となる稲を分けてもらったのをきっかけに、両校は17年間交流を続けてきた。夏には盛岡四高の生徒が八重山高に、冬には八重山高の生徒が盛岡四高に滞在する交換留学を毎年行っている。PTA同士の交流も盛んで、盛岡四高の「4」と八重山高の「8」をとって「48(ヨンパチ)会」と呼ばれているほど。同会は、昨年の東日本大震災後には県内の仮設住宅で炊き出しを行うなど、その活動は学校同士の交流を超え、街と街のつながりにも貢献している。
2004年には、盛岡四高の40周年記念として八重山高から2体の大きなシーサーが贈られ、現在も盛岡四高の正面玄関に飾られている。今回の南部鉄器のオブジェについて、盛岡四高の菊池新悦副校長は「八重山高校の生徒さんには、この風鈴の音色のように明るく健やかに育ってほしい」と話す。
南部鉄器のオブジェは10日間ほど同校正面玄関に飾られた後、八重山高へと送られることになっている。