盛岡冷麺と盛岡じゃじゃ麺について語るシンポジウム「麺ドタバタ井戸端会議」が11月18日、プラザおでって(盛岡市中ノ橋通1)で行われた。
盛岡国際交流協会(若園町、TEL 019-626-7542)の設立15周年記念イベントの「第2部」として行われた同シンポジウムは、「盛岡におけるアジアの麺文化」を副題に、冷麺とじゃじゃ麺の2つの麺がアジア大陸から伝えられていることについて、3人のパネラーと司会者が議論を交えた。パネラーは盛岡冷麺代表=「ぴょんぴょん舎」社長の邉龍雄さん、盛岡じゃじゃ麺代表=ウェブサイト「盛岡じゃじゃ麺ファンクラブ」代表の工藤藍子さん、IBC岩手放送の江幡平三郎さんの3人。司会は市職員で盛岡のご当地ソングを歌う田口友善さんが務めた。
シンポジウムの冒頭、江幡さんがテレビ特番でアジア各国の麺を食べ歩いた時の映像を交えながらアジアの麺文化について解説。「麺文化の発達している中国では、アンやミソをかけて食べる麺が多い。意外にもラーメンのように汁(スープ)に浸してある麺は少ない」と話した。
その後、邉さんが盛岡冷麺が誕生した経緯について解説。「盛岡と(冷麺の本場の)平壌は緯度がほぼ同じで気候風土が似ている。そのことが、盛岡に冷麺が定着し人々に受け入れられた原因のひとつ」と話した。「冷麺は身体の毒素を抜いてくれる(デトックス)効果もあるようだ」とも。
工藤さんは「盛岡冷麺は子どものころから食べていたので、あれが『普通の冷麺』だと思っていたが、東京で食べたら(細麺で薄味の)別物が出てきてびっくりした」というエピソードを紹介。盛岡冷麺が他の地域で食べられている「平壌冷麺」と異なる盛岡独自のものであることについて話した。
盛岡じゃじゃ麺についてはドラマ「どんど晴れ」の場面で、「『豚バラ肉がのっていた』盛岡じゃじゃ麺」が放送された話題で会場は盛り上がりを見せた。工藤さんは「放送直後に運営するウェブサイトで『声明文』を発表してNHKに講義した」経緯について説明。「番組ではじゃじゃ麺の見た目があまりよくないので、豚バラ肉をのせて『脚色』したようだが、その後NHKのドラマの公式サイトでも盛岡じゃじゃ麺を正しくご紹介いただいている」と話した。じゃじゃ麺店も経営する邉さんは「でも、あのドラマの影響で180%売り上げが伸びた。テレビの影響力は大きい」とも。また、盛岡じゃじゃ麺が多彩な食材が凝縮された健康食であることについても言及。「麺には小麦粉、ミソには肉や数種類の野菜、椎茸、(大豆を使った)味噌を使っているじゃじゃ麺は完全栄養食だ」と話し、約1時間10分の議論を締めくくった。
同イベントの第1部では「アジアのファッションショー」と題して、留学生による民族衣装の紹介と踊りも披露催された。