ベアレン醸造所ギャラリー(盛岡市北山1、TEL 019-606-0766)で現在、「名作アニメ・マンガの住まい展」が行われている。
同展は、漫画に出てくる「家」の間取りをCADで設計図面に書き起こし、100分の1スケールのミニチュア模型に組み立てて展示するもの。
設計図面を書き起こしたのは、建築コンサルタントで通称「マドラー」こと影山明仁さん。その図面を同じく住宅関連で仕事をする鎌田顕司さん(山形県新庄市)が模型に仕上げた。特に影山さんは、これまでに書き上げた間取りを1冊にまとめた著書「名作マンガの間取り」(ソフトバンククリエイティブ刊)があるほか、そのマドラーぶりはNHK「熱中時間」にも取り上げられたことがある。
今回出展する「物件」は、「Dr.スランプ」の則巻千兵衛邸や「ブラック・ジャック」の間黒男邸、「釣りキチ三平」の三平一平邸、「アルプスの少女ハイジ」のアルム・オイ邸、「クレヨンしんちゃん」の野原ひろし邸、「天才バカボン」のバカボンのパパ邸、「ドラえもん」の野比のび助邸など17軒。模型の制作は今年3月に取りかかり、現在も「工事中」の物件が数軒あるという。
影山さんは「設計図は建築確認が取れるほど精巧なもの。実際に『機動戦士ガンダム』に出てくるスペースコロニーの官舎の設計図は、いくらで建てられるか問い合わせもあった」と自身たっぷり。「坪55万ぐらいで何とかなるので、26坪から計算すると1,300万円ぐらいで建つはず」とも。
制作の過程では影山さんと鎌田さんの間で「せめぎ合い」もあったという。模型を作る鎌田さんは外観をそのまま再現したい「外観派」。一方、登場人物の背丈や歩いた歩数などストーリーの整合性を重視する影山さんは「内側から攻める派」。実際に建築確認が取れる仕様に収めるかたちで折り合う場面もしばしばだという。
今回発表した模型はすべて白黒だが、これには意外な理由も。「アニメや漫画に描かれる建物はどういうわけか原色に近い色が使われていて、実際に模型にすると派手すぎて違和感がある。(白黒にすることで)見る人の想像力で壁や屋根に色を付けて鑑賞してほしい」と話す。
開館時間は10時~18時。観覧無料。8月9日まで。新庄市の新庄銀行・新庄支店でも同様の展示が行われている(こちらの展示は50分の1スケール)。