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絵画資料から見る原敬を辿る企画展 肖像画や漫画など目で楽しむ資料を中心に

横顔や礼服姿など原敬の肖像画が並ぶケース

横顔や礼服姿など原敬の肖像画が並ぶケース

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 企画展「アートの世界の原敬-肖像画・風刺画・漫画に見る姿-」が現在、原敬記念館(盛岡市本宮4)で開催されている。

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 原敬を描いた肖像画など絵画資料を中心に展示する同展。同館で行っている企画展で紹介する資料は、原敬日記や手紙、書状など文字資料が多い一方、収蔵庫には原の肖像画をはじめとする大型の絵画資料が保管されているという。なかなか展示機会がない絵画を見てもらい、目で楽しむ展示を企画した。

 展示は3章構成。第1章の「原敬と美術界」では、原がパリ公使館に勤務していた時代に、フランス留学中の日本人芸術家と交流していたことや、帰国後に洋風美術団体「明治美術会」の漢字を務めたことなど、原と美術界の関わりを紹介する。

 担当学芸員の渡辺美知さんは「昔も今もフランス・パリは芸術の都。多くの日本人芸術家がパリを訪れていた。原さんは平民宰相として知られ、質素倹約な印象もあり、芸術とは縁がなさそうに感じるが、フランスに来た芸術家の世話役を務め、交流を深めていた」と話す。

 2章は「原敬を描いた画家たち」と題し、原の肖像画を描いた五姓田(ごせだ)義松と上野廣一の2人を紹介するとともに、他の作家による原の肖像画や胸像を展示。五姓田は原本人のほか、母のリツや妻の浅の肖像画も描いている。上野は雫石出身で、原の支援を受けてフランスに留学。恩人である原の肖像を数多く描いたとされるが、現在所在が明確なのは原敬記念館に収蔵されている2点を含めた6点だけだという。その中から、原の横顔を描いたものや大礼服姿の肖像などを展示する。

 3章では風刺画や漫画、小説の挿絵で描かれる原に焦点を当てる。明治末期から大正時代にかけて、原は有力政治家として風刺画に描かれるようになったという。近代の資料としては学習漫画に登場する原の姿や、地域紙「盛岡タイムス」で連載されていた原とその家族を題材にした4こま漫画「ハラさん!」などを紹介。同作の作者・あねがわさんのコメントと、展示のために描き下ろした新作も展示している。

 渡辺さんは「学習漫画は出版された年代や作者によって、原さんの描き方もさまざま。昔は少しいじわるそうな顔だったり、現代の作品は穏やかで爽やかな雰囲気だったりする。若い頃の原さんをイケメンに描いたものもある。記念館にはこういう資料もあるんだと楽しんでもらえれば」と話す。

 開館時間は9時~17時(最終入館は16時30分)。月曜休館。入館料は、一般=200円、小・中学生=50円。11月16日まで。

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