自転車愛好家が組織する「盛岡自転車会議」(盛岡市青山3、TEL 019-646-6524) は11月22日、盛岡のパルクアベニューカワトク(盛岡市菜園1)で自転車事故に関するトークイベント「簡単、安全、こうすればなくなる、自転車事故」を開催した。
同イベントでは、TBS報道局プロデューサーで「自転車ツーキニスト」として知られる疋田智さんが東京から来盛。同じく自転車愛好家で「ぺダリスト」を自称する盛岡在住の作家・斎藤純さんと共に、正しい自転車の乗り方について講演、意見を交わした。
「自転車の安全鉄則」(朝日新書)の著者でもある疋田さんはトークの中で、「出会い頭の事故」や「正面衝突」など、自転車とクルマが引き起こす事故例を取り上げて、自転車事故の原因と問題点を指摘。パリのレンタサイクル「ヴェリブ」やドイツ、フィンランドなど自転車先進国の例をあげながら、自転車を取り巻く環境と交通のルール作りを訴えた。
トークの中で疋田さんは「ヨーロッパでは当たり前だのことだが、日本でも自転車は車道の左側を走るべき。自転車とクルマとバイクは車道を共有する感覚が理想。それを徹底することで、交通事故を未然に防ぐことができるばかりでなく、死亡事故も減らせる」と訴えた。一方、自転車とまちづくりについて触れると「盛岡は(東大通の)自転車専用通行帯『ブルーゾーン』を設けるなど先駆的」と、市など行政の取り組みを評価した。
これから雪の季節を迎える盛岡については「無理して乗らないこと。自転車先進国のドイツもフィンランドもそれは同じ。それでも1年の3分の2を自転車が乗れれば、それだけガソリンを使わずに済むので二酸化炭素も減らせる」と話す。
自転車通勤により体重が87キロから64キロへと大幅なダイエットに成功した経験を持つ疋田さん。「メタボ対策にはもってこい。自転車は一度始めると長く続くものなので、リバウンドもない」と健康面での利点もアピールした。
同日と翌日、会場では街を快適に走れる自転車や背もたれつきの自転車「リカンベント」、木製の自転車などの展示も行われた。