岩手県立美術館(盛岡市本宮字松幅、TEL 019-658-1711)で現在、「ヨーロッパ絵画展 ~バロックから近代へ~」が開催されている。
今年最後の企画展となる同展は、長野県在住の絵画コレクター・長坂剛さんがおよそ30年間にわたって蒐集した個人コレクションを展示するもの。17世紀の中世バロックから19世紀の近代まで、フランスやスペイン、ロシアなどのヨーロッパ各地で、それぞれ絵を描き続けた「市井の職業画家」たちの油絵作品計58点を展示する。
展示は「宗教絵画」「人物肖像」「風景」「風俗」の4つのカテゴリーに分けられ、サロメや十戒など物語りのワンシーンやヨーロッパの街の風景、人々の生活を描いた作品が並ぶ。
広報担当の学芸員は「ひとりの個人が所有するヨーロッパの絵画を集めた展示は珍しい。決して有名な作家の作品というわけではないが、本当の意味での『作品本意』の絵画ばかり。当時のヨーロッパの市民が教会などで目にしたものなので、親しみを持って見てもらえるのでは」と話す。「ヨーロッパで小さな美術館ふらりと立ち寄った雰囲気。ちょっとした小旅行気分にも浸れる」とも。
11月3日・16日、12月21日にはクラシック音楽のミニコンサートが館内で行われる。学芸員による作品解説は10月31日、11月4日・28日、12月12日でいずれも14時~。
開館時間は10時~19時。観覧料=一般800円、高校生・学生500円。小・中学生=300円。12月23日まで。11月3日(文化の日)は全館無料開放デー。